山陰冬の駅弁旅〜その4・終〜

2014年12月24日、サンライズ出雲で山陰の地に降り立ちました。予想とは裏腹に、今回も雪がなかったです。午前6時半。まだ暗い中、岡山駅のホーム売店では駅弁販売があります。しかし今回はデッキ受け渡しで2種類の駅弁を手にしました。

    

上はサンライズ出雲のシングル室内。まだ夜が明ける前の画像です。そして、下は2014年12月24日、岡山駅ホームで事前に予約して購入した「おい椎 牛そずり弁当」1080円。実は2014年9月1日、この「おい椎 牛そずり弁当」、「たまの温玉めし」、「千屋牛弁当」という3つの新作駅弁が岡山駅で販売開始されました。これらは県都岡山をモチーフにはしておらず、それぞれ津山、玉野、新見がテーマとなっていて、各地の特色が活かされた駅弁となっています。今回はその3つの中から、2つを食べてみました。

    

で、この駅弁「おい椎 牛そずり弁当」のサブネームには「津山鉄道物語」とあります。そこで、この駅弁を紹介する前に、少しだけお付き合いください。2009年の急行「つやま」廃止に関してです。

下は2009年2月15日、はやしさんが岡山駅で購入した「さよなら急行つやま弁当」。850円。山菜煮、鏡野町吉備高原鶏唐揚げ、岡山県産椎茸煮など、津山線沿線の特産品を盛り込んでいます。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。

    

「つやま号の誕生は砂丘廃止発表に、津山線高速化を求めていた津山線高速化促進期成同盟会に加わっていた津山市が「観光開発や都市の再開発を進めており急行の廃止は市のイメージダウンになる、JR側の申し入れは絶対受け入れることができない」と猛反発し、津山地域JR急行砂丘号廃止反対協議会も出来ました。高速化に出資までしたのにあんまりだとの反感があったのでしょう。」

      

「中身は、おい椎鶏べんとうそのままですね。美味しく頂きました。」

      

下の画像は三好野本店さんからのご提供です。ありがとうございました。以下は2009年当時のコメントです。
「今日は。岡山駅弁の且O好野本店です。春のダイヤ改正で、津山線の急行つやまがなくなります。そこで、「さよなら急行つやま弁当」を2月11日に発売しました。岡山駅売店で一日20個の限定で、3月末頃までの期間限定販売です。中身は、分かる方は分かると思いますが(上ちゃんちの「駅弁リスト」にもあります)、「TRAIN+」キャンペーンの時の「津山線おい椎鶏弁当」の復活です。専用掛紙がついています。」

    

下は2007年10月20日、はやしさんが岡山駅で購入した「津山線おい椎鶏べんとう」。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。「津山線の駅弁、津山線おい椎鶏べんとうです。鶏も椎茸もとても美味しかったです。

     

以下は三好野本店若林さんからのコメントです。
鉄道自体に魅力のある線区を紹介するJR西日本の企画「TRAIN+」の第一弾みまさか鉄道遺産に因んだ駅弁で、岡山駅での販売です。鏡野町産の吉備高原鶏唐揚げと津山産椎茸の旨煮がメインの丼タイプの駅弁です。 掛紙には昭和11年建設の津山扇型機関庫と昭和5年建設で今も現役の転車台、それに昭和45年に国内最強のエンジンを積みながら1台しか製造されなかった幻のディーゼル機関車DE501の写真が入っています。 10月14日鉄道の日から4ヶ月間の限定販売です。

     

下は2008年2月2日、岡山駅で購入した「津山線おい椎鶏べんとう」。

   

九州へ旅行する途中、予約して新幹線ホームで受け取りました。7名のグループ旅ですので7個買いました。2008年2月14日までの限定販売です。最初は5種類から選んでもらったのですが、みんなこれを選び、満足していました。からあげを細かく切ってご飯と食べるとここまでうまいんだと感服しました。

   

下は因美線や津山線というよりも、伯備線の話題になってしまいますが、1972年4月9日「D51弁当赤飯」。D514221号機の写真が使用されています。この年の3月15日、山陽新幹線が岡山駅まで開業しました。

       

ということで、再び2014年12月24日の話に戻ります。岡山駅「おい椎 牛そずり弁当」1080円はこのように、いろいろあった津山の鉄道物語について、昔を懐かしむという駅弁でもあります。容器が扇形をしているのは、津山駅には今でも扇形機関庫があり、それをイメージしていると思われます。因みにこの扇形機関庫17線分の車庫となっており、京都の梅小路機関庫の20線に次いで全国では2番目の規模だそうです。全国で1両だけ作られたDE50型ディーゼル機関車やキハ52、58、181形ディーゼルカーなどが安置されていて、往年の旧国鉄車両が期日限定で一般公開されています。

    

さて、駅弁の中身ですが、「おい椎」の椎茸は往年の津山駅「しいたけ弁当」を想起させる食材ですね。「そずり」というのは牛骨のまわりに付いている肉を削り取ったもので、昔から津山では鍋にするなどして親しまれているものだそうです。それを椎茸入りの牛肉しぐれ煮としたものが錦糸玉子の上に敷かれています。その下のご飯はほうじ茶風味の味ごはん、おかずはこんにゃく煮、作州黒豆煮、切り干し大根煮、菜の花醤油漬け、きなこわらび餅など。サンライズ出雲の車中で朝食となりました。

    

もう1つ、岡山駅弁でありながら県北の津山をモチーフにしたのと同様、今度は県南の玉野をモチーフにした駅弁を紹介します。下は2014年12月24日、岡山駅ホームで事前に予約して購入した「たまの温玉めし」780円。

    

これは、「みなとオアシスSea級グルメ全国大会グランプリ」を2011年と2013年に受賞した岡山県玉野市の「たまのSea温玉会」監修の駅弁だそうです。穴子を混ぜ込んだ焼き飯、つまりチャーハンに、鶏卵を加工したとろ〜り玉子をトッピングしています。刻み海苔、生姜載せ、タレ付き。

    

下は2014年11月23日に高松駅でたわしさんが購入した「たまの温玉めし」780円。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。「岡山県玉野市の「温玉めし」をそのまま駅弁のしたものです。 穴子の混ぜご飯に温玉が載せられており、温玉を割って食べます。 穴子のタレも付属し、味の濃さを自由に変えられます。」

    

下の画像はサンライズ出雲の車中から、少しばかり雪が少し降り積もった高梁川を眺めたものです。車窓風景をおかずにすると、駅弁の美味しさが一段と増しますね。この旅に最後までお付き合いくださり、どうもありがとうございました。

    

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