青函惜別駅弁旅〜その1〜

2013年9月22日から24日にかけて、青函エリアを中心に駅弁旅をしました。2013年11月10日で廃止が決まった竜飛海底駅をはじめ、2014年5月12日廃止の江差線にも惜別のために訪れました。

    

上と下は2013年9月22日に新青森駅で購入した「青森故郷めぐりラブあおもり弁当」1000円。調製はつがる惣菜。このお弁当は日本青年会議所東北地区青森ブロック協議会2013年度アカデミー大学監修なのだそうです。

    

食材はすべて青森県産品を使用し、県内8地域のご当地グルメ、郷土料理を集めたとのことです。具体的には青森の生姜味噌おでん、十和田のバラ焼き、弘前のいかめんち、黒石の焼きそば、八戸のサバの味噌煮、むつの貝焼き味噌、五所川原のしじみご飯、三沢の鳥ごぼうの鍬焼き。まさに地元を愛するというポリシーの駅弁です。

    

このお弁当を持って、2013年11月10日に見学終了(そのまま廃止となる)竜飛海底駅の見学をしました。私は新青森駅発12時45分のスーパー白鳥19号で、指定されていた2号車のドアから下車しました。

    

手動で開けられたドアから降車しました。ホームは人がやっとすれ違えるほどの狭さでした。右下の画像は反対側の上りホームの様子です。

     

線路は新幹線の幅にも合わせているので、よく見るとレールは3本あります。この日の見学者は28名。いつもなら土日でも2、3人しかいなかったそうですが、廃止が近いので連日満員。実際、この見学整理券(竜飛2コース)2040円を手に入れるためにたいへん苦労しました。定員は30名で、函館から往復する「竜飛1コース」30名と合わせて、2013年11月10日まで1日60名だけがこの駅を見学できます。

     

駅名標にある隣の吉岡海底駅(北海道側)は北海道新幹線の工事着工に伴い、すでに2006年8月28日をもって営業休止しており、2014年3月には竜飛海底駅とともに廃止となります。

     

案内係の説明によって見学をすすめていきますが、残念ながらこの日の担当者は早口と訛り?であまり聞き取れませんでした。左下は約1000名収容できるという避難所。非常用にカロリーメイトが常備されているらしいです。

     

海底の待合室には簡易トイレもありますが、汲み取り式で処理には多くの費用がかかるとのことです。

     

竜宮水族館は2012年までは生き物の展示をしていたとか。待合室にはテレホンカード専用の公衆電話がありました。

     

下の画像は青函トンネルの概要です。見学通路にはこのような説明パネルがいくつも展示されていました。

    

1954(昭和29)年、青函連絡船の洞爺丸が台風の影響で1155名の犠牲者を出し、タイタニック号に次ぐ大惨事となりました。それ以来、青函トンネル構想が本格化し、1964(昭和39)年に着工して1985(昭和60)年に貫通、1988(昭和63)年の営業開始にこぎ着けました。総工費6890億円、1キロ掘るのに100億円費やしたそうですが、地下鉄の1/2の工費なのだそうです。52.57キロのトンネル内の線路は継ぎ目のないスーパーロングレールを使用。1370万人の労働者(殉職者34名)が関わった、まさに世紀の大プロジェクトだったのです。

     

左下画像の掘削機(トンネルボーリングマシン)で1日9.7メートル掘れたそうなのですが、海底区間では地盤も軟弱で出水もあったため、セメントミルクを岩盤に注入し、固めてから掘るという苦労を重ねたようです。右下の画像は削岩機とダイナマイト(発破)。最後は人の手で直接掘り進めていったらしいです。

     

海底(海面下140メートル)から地上へと、竜飛斜坑線に乗車して、一気に地上へと上がり、青函トンネル記念館へと向かいます。すぐ近くには竜飛岬灯台もあります。

     

左下の画像は青函トンネル記念館駅の様子です。右下はその玄関です。

     

北海道方面を臨んだ風景です。この日は天気がとても良く、北海道もくっきりと見えました。

     

下の画像はトンネル内にあった展示物を撮ったので蛍光灯の光で見えにくい箇所もありますが、青函トンネルの位置関係を表した地図です。地図上では大間ルートの方が近そうですが、下北半島経由にしなかったのは火山である恐山や函館付近の温泉があって地盤に問題があったこと、大間海峡の方が海底が深く、トンネルの長さが長大化してしまうことなどが理由としてあったそうです。以上で竜飛海底駅見学レポートを終わります。

    

さて、すでに「青函トンネル弁当」は終売していますし、海底駅がなくなると青函エリアは通り抜ける場所となってしまいがちです。そこで、五所川原に因んだ駅弁を2つ紹介します。下は2010年12月5日、新青森駅開業記念東京駅駅弁大会で購入した新青森駅「太宰治生誕100周年記念弁当津軽」。800円。

    

駅弁大会のチラシには五所川原駅の駅弁とされていましたし、調製元が五所川原市の「つがる惣菜」であるため、駅弁リストでは五所川原駅の駅弁としておきます。

    

薄く柔らかな1年昆布である「若生(わかおい)」のおにぎり、魚と米を発酵させた鮭の飯寿司(いずし)、赤紫蘇と餅米を使った漬物「すしこ」、桜でんぶを用いたと思われる稲荷ずし、かぼちゃ餅、帆立黄金焼き、イカメンチ、赤紫蘇漬け玉子、身欠き鰊、胡瓜漬けなどが入っています。

    

これらのおかずは太宰治が好んだ料理だと言われています。掛け紙の原画絵はがき付き。お品書きも凝っています。

    

下は2010年12月5日、新青森駅開業記念東京駅駅弁大会で購入した新青森駅「五所川原立佞武多弁当」。1050円。とにかく長い容器です。調製は「つがる惣菜」。

    

海老とたけのこ、錦糸玉子が載った鮭の飯寿司、帆立黄金焼き、地鶏の照焼、りんごシロップ漬けなど、地元津軽の味が満載な駅弁に仕上がっています。

    

彩りも美しく、立佞武多の華やかさそのものといった雰囲気がよく出ています。これで1050円ならば絶対にお買い得でしょう。その他、「青森!やっぱり!ホタテだべ〜」という新作駅弁もあるようです。

    

下がその「青森!やっぱり!ホタテだべ〜」です。2013年2月7日、がちまやーさんが弘前駅で購入したものです。

    

話を2013年9月22日に戻します。青函トンネル記念館のラウンジで、新青森駅「津軽の弁当お魚だらけ」1050円を賞味しました。調製元は五所川原市の「つがる惣菜」。

    

ほっけ、サーモン、いか寿司、鮭寿司、身欠き鰊、いか焼き、いか唐揚げ、ほたて貝の黄身焼き、ほたて唐揚げ、いかめんちなど、確かに魚のおかずばかりです。

    

青函トンネルの上にいるお魚たちをおかずにした駅弁は、津軽海峡の海の幸のオンパレードでもあります。その津軽海峡を渡って、北海道に上陸します。

    

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