「東北の想い」駅弁旅 〜その3・終〜

2011年6月24日の夜から26日まで、東北地方に想いを込めた旅をしました。6月25日、4年ぶりの津軽鐵道を訪れました。前回は秋でしたが、今回は初夏。季節で異なる4種類の駅弁のうち、夏バージョンを味わいます。

   

上と下は2011年6月25日、津軽五所川原駅で予約購入した「だざい弁当」1000円。五所川原市(旧金木村)出身の小説家、太宰治に因んだ駅弁です。

    

右上の画像は津軽中里の駅構内の様子。「だざい弁当」は6月から8月までの期間限定弁当で、3日前までに2個からの予約販売。

   

太宰治が一番の好物だったというカニ、青森産もずく、茄子のしそ巻き、数の子入りニシン切り込み、グリーンアスパラ、タラの子とにんじんのこあえ、根曲がり竹の煮付け、焼き魚、ニシンと帆立の煮付けなどが入り、非常にお買い得。

   

下は2009年5月29日、青森県津軽地域在住のpataさんが購入して夕食に賞味した「だざい弁当」。1000円。貴重な画像どうもありがとうございました。2009年6月は五所川原市(旧金木村)出身の小説家、太宰治の生誕100周年です。それを記念して2009年5月22日から販売開始されました。

   

この駅弁は今までのオリジナル弁当と同様に3日前までの予約が必要で、2個以上から注文を受け付けています。弁当の引き渡しはほぼ従来通り、津軽五所川原駅です。

   

下は角度を変えた中身画像です。ニシンの煮付け、ニシンの切り込みカズノコ入り、アスパラなど、北の味わいが楽しめます。

   

今回の駅弁は食用菊の混ぜご飯、人参と帆立煮、カニ、ネマガリダケなど太宰の好物を入れているのだそうです。下は掛け紙です。

   

掛け紙の裏はお品書きになっています。それにしてもお品書きが原稿用紙とは、凝っていますね。太宰治の一番好物なのは「カニ」だったようです。

   

下は2008年7月21日、倒壊ていおーさんが津軽五所川原駅で予約購入した「さくら弁当」。2008年4月20日から発売開始し、7月中旬までのお弁当ということでしたが、販売期間を延長していたようです。「ストーブ弁当」に続く津軽鐵道の駅弁第2弾。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。なお、2011年現在では4月〜5月の期間限定。

   

季節駅弁なのでしょうか、7月に購入できました。味付けは濃いものが多かったような気がします 。

   

3日前までに最低2個からの事前予約が必要です。0173−34−2148。調製元は神家。1000円。

   

ごはんは「さくら弁当」の名の通り、黒米(もち米玄米)で桜色のごはんでしたね。おかずは魚のてり焼き、だし巻きたまご、たけのことにしん漬け、道明寺粉ほたてフライ、地元野菜の煮付け、とり肉塩ダレ付あみ焼きなどで、さすがは東北地方、味は濃いめなのでしょう。

   

続いて「いなほ弁当」です。2008年9月5日より津軽鐵道の駅弁第3弾として「いなほ弁当」1000円が11月まで発売されます。下は青森県津軽地域在住のpataさんが2008年9月27日に提供してくださった「いなほ弁当」の画像です。貴重な画像どうもありがとうございました。2011年現在では9月〜11月の期間限定販売。ちなみに「ストーブ弁当」は12月〜3月までの期間限定販売です。

   

今回も津軽の食材を満載し、津軽五所川原駅での販売となり、3日前までの予約が必要です。調製元は今回も神家。

   

季節の炊き込みご飯におにぎりをメインに、おかずは秋茄子のピリ辛ひき肉のせ、たたきごぼう、食用菊の胡麻和え、長芋とつくね芋のほたてあんかけなど。

    

掛け紙の裏が図解入りのお品書きとなっています。今回は椎茸ごはんのようですね。

   

話を2011年6月25日に戻します。この日に乗車した車両は2011年6月1日〜11月30日まで運行するという津軽弁列車「けっぱれメロス号」でした。車内には至る所に津軽弁が書かれたリンゴの形をした紙が天井から吊られていました。また、「津軽弁単語集」というのが置かれ、津軽弁を学習することができました。下の画像にあるような奥津軽トレインアテンダントとの会話も楽しめます。

   

ある意味でフランス語のような響きの津軽弁。中でもすごいなと思ったのが、「く?」「ん、く。」、「め?」「ん、め。」の会話集。「食べる?」「うん、食べる。」、「美味しい?」「うん、美味しい。」という意味なんだそうです。もちろん「だざい弁当」も「ん、め。」でした。

   

設立以来80年間、津軽鐵道は地域の経済と文化を支えてきました。しかし、現在では利用者の激減により厳しい経営環境に立たされているそうで、存続の危機にさらされていると聞いてます。このような状況の中、「津軽鐵道サポーターズクラブ」が2006年に設立され、地元民の有志と県内外の熱い思いを持った津軽鐵道ファンがサポート活動を展開して現在に至っています。この一連の駅弁も「津軽鐵道サポーターズクラブ」の尽力で生まれたとか。津軽鐵道を守り、活性化させたいと願う熱き想いが生んだ駅弁と言えましょう。

   

日本人の心のふるさとを触発する駅弁には、人々に旅情や郷愁の根源となる安らぎを与え、元気になろうというパワーも与えてくれるような気がしてなりません。未曾有の震災を経験して明るさを失いかけている東北地方が、駅弁パワーで少しでも元気になってくれればと思います。最後までご覧いただき、どうもありがとうございました。

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