2009年3月14日早朝をもって寝台特急「富士・はやぶさ」と共に消えた幻の車内弁当があります。もともとは「ドライカレー弁当」で名を馳せた柳井駅弁・水了軒の「幕の内弁当」。駅弁から撤退し、東京駅発のブルートレインが「富士・はやぶさ」になってからは、盆も正月もなく、来る日も来る日も下りのこの列車のためだけに、おばあちゃんが早朝の柳井駅ホームから「はやぶさ」の1号車デッキに幕の内弁当を積み込んできました。

     

まずは車内弁当になってからを振り返りましょう。下は2007年1月1日、砂丘の白兎さんが下り寝台特急「富士・はやぶさ」車内で購入。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。

           

「1日5個、しかも下り『富士・はやぶさ』の車内でしか販売しない、幻の駅弁。よくありがちな、仕出し風箱モノ幕の内弁当。ただ、腹がへっている人間にはたまらない質と量。作られてそんなに時間が経っていなかったので、温かかった。」

           

左下は1980年9月13日購入。2006年現在は一部のブルートレインの車内販売でしか購入できません。幕の内タイプのお弁当です。また、右下は2004年3月7日、aqualissさんが購入。「『さくら』『はやぶさ』車内販売にて入手。日本で5本の指に入る入手困難普通駅弁の1つ。柳井の駅弁屋さんはこの2列車の車内販売のみに駅弁を卸していて、平均積込個数5個、販売は徳山から。はらぺこの朝には幕の内弁当がやさしい…。箱モノではなく経木だったら、もっと旨かったかな?」とコメント。

    

なお、2006年現在、水了軒ではブルトレ内の「幕の内弁当」のみの販売ですが、これについてKQ1000さんの参考になるご発言が掲示板にありましたので紹介します。2006年3月には「さくら」が廃止となり、2007年3月現在では「富士・はやぶさ」のみに。やがてこのお弁当は東京発のブルートレインの運命とともに消えてなくなるのでしょうか。

売ってるのは下り「さくら・はやぶさ」です。下松駅で積み込まれ、徳山駅から乗ってくる車販さんが徳山駅弁と一緒に販売します。車販のスタート位置は「さくら」と「はやぶさ」の継ぎ目(6〜7号車)のデッキ部分です。ここ2年で同列車は3回乗りましたが車販の向かう方向は一定していないので、確実にゲットしたい時は徳山発車時にココに行けばいいでしょう。去年(2003年)の12月に乗った時には汎用の箱にシールを貼った容器になっており、掛け紙がなくてチョッと残念。積み込み数は5〜10ヶ位です。ちなみに去年(2003年)12月に同列車の車販で売られていた弁当は他に徳山の「あなごめし」「幕の内」新山口の「あなごめし」「幕の内」でした。また下関、鳥栖ではホーム売店で各種駅弁や車内持ち込みの蕎麦の購入が可能です。下関の場合、車販の弁当の売れ行きがいい時車販のおねーさんが売店に置いてある弁当をゴッソリ積み込んでいたケースもありました。

下は2008年10月19日、はやしさんが徳山駅から「富士・はやぶさ」に乗り込み、柳井駅弁の購入を試みた時の画像です。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。

     

「徳山から特急に車販とともに乗り込みました。今日の柳井駅弁は6個でしたが既に車販待ちの長い列が、柳井からそれを狙って並んでいる人もいるそうです。まことに残念ながらダメでした。何だかますます購入が難しくなっています。」

     

下は2008年11月3日、倒壊ていおーさんが購入した柳井駅「お弁当」です。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。

     

「下は徳山から車販さんがこられるまでに、1号車デッキにおいてある写真です。岩国を過ぎて話のネタにと思い1号車まで行きますと4番目ということでした。待っている方々と色々話をしながら、柳井で積み込まれたのを見て、デッキにて写真をとりました。携帯のため画像が悪いのはご容赦ください。そして、徳山に着くころには6人が並んでいました。皆さん、順序よく1つずつ購入されました。前日は瞬殺と聞いていたので運がよかったのでしょう。」

     

下は2009年3月6日、はやしさんが下松駅から立席特急券を行使して「富士・はやぶさ」に乗車したときのレポートです。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。

     

「下松に着きました。はやぶさに乗り込みました。しかし、やはりダメでした。」つまり、2008年10月19日に引き続き、購入に失敗してしまったようです。

     

下は2日後の2009年3月8日、はやしさんが再度アタック。下は柳井駅にて水了軒さんが積み込む様子。

       

この日は8個積んでいたようです。

      

「最後に何とか買えました。柳井駅弁は本当に最期だったので購入出来て良かったです。 」  

     

しかし、このお弁当は「富士・はやぶさ」と運命を共にします。もう車内で買えることはありません。長年のご苦労を労いたい気持ちはありながらも、消えていくこの弁当のことを思うと切なくなります。すでに駅売りから撤退している調製元の水了軒さんはいったいどうなってしまうのでしょうか。各地でどんなに「さよなら記念弁当」を出そうとも、本当の意味で寝台特急「富士・はやぶさ」の乗車記念とも言える駅弁は、このお弁当をおいて他にあり得ませんでした。

     

下は2009年3月13日、富士ぶささんが購入した柳井駅「お弁当」です。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。

     

「この日の積み込みは8個でした。 岩国発車後(AM5:30頃)で1号車デッキには既に『待ち』の方が2名もおられました。」

      

ちなみにラストラン当日の2009年3月14日は15個積み込まれたということです。

     

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