コロプラ九州駅弁旅〜その2〜
2010年2月21日、長崎をスタートして九州の駅弁旅をしました。JR九州と携帯位置ゲームとのコラボ「コロプラ乗り放題きっぷ(北部九州用)」を使用しているのに、なぜいったん九州を出て下関へ行くのか、その大きな理由とは、山口県内の中央会加盟駅弁屋さん3社が合併するというウワサを聞き、真相を確かめたかったからです。
旅の都合上、折り返し5分で改札を出た専用売店に行き、簡単に事情を伺って、また九州へ戻らねばなりません。いつもと同じラインナップのショーケースを眺めて「ふくめし」を買いつつ、「確か3月で・・・」と切り出すと、すかさず「ああ、はい。駅弁はやめてしまうんですよ。うどんは残るけどね。」と教えていただきました。あまりのショックにそれ以上のことを聞く気にもなれず、また、詳細を伺う時間もなく、「本当ですか。。。合併は聞いていましたが、駅弁をやめるとはつゆ知りませんでした。信じられません。本当に残念です。」と述べて、とりあえずあと2つ駅弁を衝動買いすることになりました。結局、合併のウワサは真実だっただけでなく、駅弁撤退という信じがたい事実まで伺うことになってしまいました。。。本当に出会い頭のショックという感じでした。3日後、山口放送のテレビニュースにも下関駅弁当、小郡駅弁当、徳山駅弁当の合併と、徳山、下関での駅弁調製、販売の記事取り上げられ、ウェブ上にも動画で配信されました。
画像は2010年2月21日、下関駅の専用売店で購入した「ふくめし」。1300円。下の画像では2004年度にJR西日本で開催された「駅弁の達人」で使用されたロゴマークが懐かしいです。
大分へ向かうソニックの車内で賞味しました。パッケージから容器を取り出すとこんな感じです。フグ駅弁に用いる専用の箸袋までありました。
やはり下関の名物駅弁と言ったら冬季限定のこれですよね。私の誕生年と同じ1960年の発売以来、最初はトラフグを使用していた「ふくめし」でしたが、現在はシロサバフグを使用。半世紀続いたこの駅弁は、本当にこのままその歴史に幕を閉じてしまうのでしょうか。
中身のアップです。からあげ、酒粕焼き、そぼろ、炊き身と、まさにフグ尽くしの駅弁でした。カニの爪肉、椎茸、紅葉麩も入ります。ご飯はふぐの出汁と醤油で炊いています。
下は1977年の「ふくめし」掛け紙。ふぐの出汁と醤油で炊いたごはんの上にふぐの身のそぼろ、塩焼きのフグ、ふぐのヒレなどが載っています。当時は香の物の別容器もあったようです。
そして下は1966年〜1970年頃。容器の中にあったしおりでしょうか。下関では幸福の「福」にならって「ふぐ」とは名乗りません。「ふくめし」は1960年に誕生しました。
下は2002年3月2日、駅弁大会で購入。容器も変わりました。
下は2004年10月11日購入の中身。塩焼きは一夜干しのような感じでみずみずしさと弾力がありました。
2010年2月21日、再び小倉に戻ってソニックに乗車し、前年2009年秋に廃業した「かしわめし」の駅弁で有名な行橋駅にさしかかったとき、「ふくめし」の行く末と重なるような思いがして、自分自身の気持ちが思わず暗くなってしまいました。21世紀の10年が過ぎ、これからの10年を考えるとき、いよいよ駅弁の時代が加速度を増しながら終焉に向かっていってしまうのでしょうか?
しかし、このまま暗くなってばかりもいられません。なんとか明るい話題を求めようと、2007年に老舗駅弁屋さんが撤退したものの、新たな業者の駅弁を受け入れている大分駅へと向かうことにします。
中国の駅弁リストに戻る 中国のお薦め駅弁に戻る 駅弁ノスタルジア戦後に戻る
トップページへ戻る 駅弁行脚トップへ
さらにこの旅を続ける