伊勢志摩駅弁フルコースの旅[四の膳]

「伊勢志摩駅弁フルコースの旅」最後の膳を飾るのは、日本人らしく、お茶漬けの駅弁です。
前菜魚料理肉料理と食べた後は、胃にも優しい亀山駅「志ぐれ茶漬」で締めくくることにしましょう。


     

2005年10月9日、亀山駅前にある「いとう弁当店」で予約して購入した「志ぐれ茶漬」。

     

本場桑名しぐれ蛤(桑名「貝新」の高級品)、つけ茶は味自慢の三重県名産亀山茶を使用しているということです。蛤のしぐれ煮、刻み海苔、紅ショウガ、ごまがご飯の上に載っています。そのままでもおいしそうですが、別売のお茶をかけて食べるのがお茶漬け駅弁ならではの食べ方。ジャボジャボと熱いお茶を注いで一気に箸でかき込みました。醤油で甘辛く煮た蛤の旨味が口いっぱいに広がります。要予約。「いとう弁当店」05958−2−1225。

     

ところで、「しぐれ蛤」は、なぜ「しぐれ」というネーミングなのでしょうか? 当初は「煮蛤」と言われていたそうですが、俳人である各務支考が「時雨蛤」と名付けたのがその始まりとされています。これは10月あたり、ちょうど時雨(初冬に降る雪やみぞれまじりの冷たい雨)の季節に製造するものがおいしいということから、そう命名されたのだそうです。「しぐれ蛤」は産卵前の大きなものを粒選りし、たまりしょうゆで煮しめて作るそうです。400年の変わらぬ味と伝統を誇る桑名「新之助 貝新0594−22−3535」の「しぐれ蛤」を使用しているのですから、旨くないはずがありません。

この駅弁はaqualissさんも何度か味わっているようです。2004年1月16日購入。以下はそのコメントです。

   

「松阪のぴーちゃんとこに寄る際は、必ず立ち寄り入手する(と言っても通算3回目だが)亀山の「しぐれ茶漬け」。今でも販売しているかどうか不安だったが、接続待ちの間に出来たてを拵えてごしました。感謝!」

     

今回提案した「伊勢志摩駅弁フルコースの旅」は近鉄志摩磯部駅(前菜・牡蠣)から鳥羽駅(魚料理・伊勢エビ、アワビ、サザエのうち1個)、松阪駅(肉料理・今回は3675円の「牛肉弁当御膳」)、そして亀山駅(お茶漬け)と、駅弁4個でしめて6000円強の予算でしたが、松阪駅で「特撰元祖牛肉弁当」を選択すれば4000円強におさまりますし、逆に「極上松阪牛ヒレ牛肉弁当(10500円)」を選択すると、14000円程度にまでなります。

それぞれご予算に合わせ、お好みでバリエーションをお楽しみください。但し、出かける前に予約をしておくことを忘れずに。できれば1日ですべて訪れ、4つを食べ尽くしてしまうのではなく、伊勢志摩の観光をゆっくりと楽しみながら、その行き帰りを利用して食べるというのがいいですね。

私が今回した実際の旅では近鉄志摩磯部駅(大阪での物産展で購入)→亀山駅→松阪駅→鳥羽駅という順番でしたが、最終的にはそれでも別に構わないと思います。4つ食べてみたら、結果的には駅弁フルコースの旅になっていたなあ、という気づきだけでも十分に楽しいのでないでしょうか。



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