伊勢志摩駅弁フルコースの旅[一の膳]


「駅弁行脚」シリーズとしては異色ですが、今回は「伊勢志摩駅弁フルコースの旅」です。
2005年10月7日〜9日にかけて旅し、食した伊勢志摩地方の駅弁を帰ってきてから改めて眺めてみると、「駅弁フルコース」とでも言うべき内容であったことに気づきました。

今回は前菜、魚料理、肉料理、食後茶の4つに分け、実際に訪れた順番を入れ替えつつ、「駅弁フルコースの旅」の体裁にしてお届けします。これは言ってみれば伊勢志摩の駅弁を楽しむ1つの提案です。純粋な旅行記ではないですが、ぜひ最後までおつきあいください。
 


それでは、「駅弁フルコースの旅」の最初「一の膳」は「前菜」ということで、牡蠣を取り上げます。

       

2005年10月7日、大阪なんば高島屋の物産展で購入。

冬季限定で「的矢かきめし」が志摩磯部駅と近鉄鳥羽駅にて販売されるという情報をもとに、調製元である橘旅館に駅受け取りで10月9日に予約しようとしましたが、残念ながら11月からの駅売りということで、断念することになってしまいました。しかし、橘旅館の方にこの時期に近畿方面で実施している物産展での購入を勧められ、ちょうど滞在していた大阪の百貨店で購入することができました。

かきめしだけの「的矢かきめし」が900円、かきフライも入った「的矢かきめし弁当」が1100円で、掛け紙は共通でしたので、おかずも楽しめる高い方を選択しました。

      

牡蛎がそのままご飯に炊き込まれているので、ご飯の中からも顔を出します。かきフライに添えられたキャベツは酢漬けでおいしく、不意打ちを食らったような感じで新鮮でした。付け合わせの岩のり佃煮もまさしく「磯風味」で、雰囲気出ています。また、たくあんにも自家製のような素朴さがあります。

      

「的矢かき」は大粒の牡蠣です。真珠のとれるプランクトンの豊富な志摩、的矢湾で養殖されていますので、栄養もたっぷり。前年11月頃に本垂下したものを翌年9月以降に引き上げ、さらに1個ずつ籠に入れて養成するのだとか。これにより身入りがよく、むらのない牡蠣に仕上がるのだそうです。カルシウム、亜鉛、鉄分、タウリンなどを多く含んでいるので、滋養強壮にも役立つと言われています。


さて、駅弁フルコースの「前菜」としては少し重いという気もしないではないですが、牡蠣そのものはよく洋食のフルコースで前菜やオードブルの一品として出てきますよね。
今や伊勢志摩名物の1つとなった「的矢かき」は十分に「伊勢志摩駅弁フルコース」トップバッターにふさわしいのではないかと思いました。
橘旅館(0599−57−2731)。


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