三陸縦断駅弁の旅〜その5・終〜

2006年7月30日、八戸駅を出発して10時間、昼運行の日本一走行距離の長い(400.4キロ)快速列車「リアス・シーライナー」で訪れた三陸の旅もそろそろ終わりを告げようとしています。旅の締めくくりを飾る駅弁を仙台駅で探します。

 
 

15時34分、気仙沼駅到着。とうとう宮城県に入りました。ここで気仙沼始発の快速「南三陸4号」と連結して、合計5両で仙台駅を目指します。

     

気仙沼線には2004年から約1年間だけ駅弁が売られていた大谷海岸駅(厳密には駅構内の「はまなすステーション」で販売)があります。京王駅弁大会で鮮烈デビューした「三陸魚ご弁当」がそうです。しかし、現在この駅弁は売られていませんし、作られてもおりません。駅弁としては根付かなかったということあり、大変残念です。

 

宮城に入ってから相変わらず海は綺麗です。また、北上川を渡ったり、ササニシキの穀倉地帯を走ったりと、車窓を飽きさせません。

 
 

前谷地からはJR石巻線に入り、17時39分、小牛田駅着。ここからは東北本線です。

    

スピードを増して走るので、松島もあっという間に過ぎてしまいました。ゴールはもうすぐそこです。

 

東北新幹線の高架が間近に迫ってきました。今回10時間もかけた八戸〜仙台を、「はやて」ならばたった1時間半で駆け抜けてしまいます。

     

そして、18時14分、仙台駅到着。10時間3分もかかり、400.4キロに及ぶ「リアス・シーライナー」の旅は終わったのです。「青春18きっぷ」と「三鉄1日とく割フリーパス」だけで乗車できる「のんびり旅」でしたが、不思議と疲れませんでした。

     

さて、仙台駅で私がこの旅最後に選んだのは「南三陸海鮮六右衛門弁当」でした。

     

三陸縦断の旅の最後を飾る仙台の駅弁としてふさわしいのは、もちろん三陸をテーマにした駅弁ということになるでしょう。また、無事に「はやて」にも乗れ、ホッとしている私には、ビールがうまく感じられる駅弁も捨てがたい。この「南三陸海鮮六右衛門弁当」は「酒肴」中心の作りですから、2つの条件を満たしている、願ってもない駅弁でした。

     

     

調製は伯養軒。銀鮭の酒粕漬け焼き、牡蛎のしぐれ煮山椒風味、ホヤの根元であるへそっこ、鯨の竜田揚げ、秋刀魚のあられ揚げ、笹蒲鉾など。ご飯はササニシキのごま塩おにぎり1個だけ。どれもいいです。

     

参考までに、仙台駅には三陸をテーマにしている駅弁がまだあります。下は2004年2月29日購入の「三陸ウニめし」です。

     

ウニのそぼろとカニのほぐし身、錦糸卵の三色弁当です。御飯も茶飯で柔らかく、満足のいく内容でした。ただ、商品シールをもう少し考えて貼ってもらいたいものです。ウニ、カニがほぼ同等に扱われている内容なので、「三陸ウニ・カニめし」という名前の方が良いかも知れませんね。

        

そろそろこの旅を振り返りましょう。
最初は400キロの道のりを10時間もかけて、かみしめるようにゆっくりと辿ってきた旅。そして、最後にそのほぼ同じ距離を3時間で駆け抜けてしまう旅へと乗り換えてみました。


     

どちらも目的が違うので、優劣をつけるつもりはありませんが、駅弁を食べるということに限定するならば、私は個人的に車窓がゆっくりと流れる列車の方がやっぱりいいですね。私にとって今回の旅は、それをあらためて確認でき、こういう旅を青春時代によくしていたなあ…と思い出せた旅でもありました。

そして最後に、いろいろと楽しませてくれただけでなく、心からもてなしてくれた三陸鉄道がいつまでも続いてくれることを心よりお祈りしています。

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