青函惜別駅弁旅〜その4〜

2013年9月22日から24日にかけて、青函エリアを中心に駅弁旅をしました。竜飛海底駅、江差線に惜別した後、函館駅を経て、コラボが誕生した母恋駅弁を手に入れるため、室蘭へ向かいました。

     

上と下は2013年9月23日、事前予約して室蘭駅で購入した「駅弁 母恋めし」3000円。色についてはお任せしたらピンクが手に入りました。母の愛情を表すにはふさわしい色のように思いました。

     

このように、室蘭駅「母恋めし」がハウス型弁当箱に詰められて、2013年9月4日より売り出されました。容器の製造は三好製作所室蘭工場、販売価格は3000円ということで高いですが、容器のお値段が張るものと思われます。購入する場合はエンルムマリーナ室蘭内のブロートン、JR室蘭、母恋両駅の母恋めし本舗売店へ行けば買えます。ブロートンの電話は0143-27-2777。入っている中身は通常の「母恋めし」と一緒です。

     

ちょっとここで「母恋めし」や室蘭に関わる話をさせてください。下は2004年12月29日、通信販売で購入した「母恋めし」。890円。この時が初めての購入で、その後は東室蘭駅キヨスクや私が関係した東京ビックサイトの駅弁イベント、京王駅弁大会などでも手に入れて賞味しています。

     

室蘭は兄嫁の出身地であり、兄が大学時代に婚約(その時私は中1、そして私が高1の時に結婚)したことから、私も当時はくっついてよく夏休みなどに室蘭へ泊まりに行きました。義姉の家は室蘭駅にほど近く、SLの汽笛で目を覚ますという最高のシチュエーションでした。当時はC57の一番列車に乗って日帰りの鉄道旅行をするというのがとても楽しみで、長万部から倶知安を経由して胆振線で帰ってきたり、岩見沢や南大夕張鉄道、札幌、旭川、士別、美瑛と、次第に行動範囲は広がっていきました。そして私の大学時代にも旅行途中で室蘭の家にはよくお世話になったのです。
中2の時、2回目の室蘭ではじめて地球岬に行きました。本当に水平線が丸く見えました。松茸の土瓶蒸しを初めて食べたのもこの町、生まれてはじめてSLに乗り、トンネルで窓を閉めずに顔が真っ黒になったのもこの町、鷲別の機関区で9600やD51と触れあったのもこの町、「むーらん、むーらん、終着駅、室蘭です。」という旅情溢れる駅のアナウンスがまるで昨日のことのように甦ります。そう、室蘭は少年時代の私に世界を広げてくれた町でした。


  

前置きが長くなりましたが、東室蘭駅の駅弁が1986年に消えて以来、なんと2002年3月、16年ぶりに母恋駅に駅弁が誕生しました。室蘭郷土料理コンクールで最優秀となった「母恋めし」をもとに、おかあさんの味を大切に、心をこめた手作りの駅弁です。

               

「母恋めし」をひと言で言えばホッキ貝と茸の炊き込みごはんおにぎりです。それに薫製玉子、りんごのチップを使った薫製の縄文チーズ、長茄子のつけものがセットになっています。それぞれがラップでくるまれているので通信販売も可能です。2004年末現在、2個セットでチルドゆうパック送料込み道内・青森が2700円、それ以外が3100円で送られてきます。3個セットならさらにお得で道内・青森が3500円、それ以外が3900円です。母恋の語源はアイ ヌ語の、ホッキ貝のたくさんある所という意味の「ポク・オイ」だそうです。

            

詳しくはホッキ貝工作を中心とした創作工房せきね(ブロートン99)にご連絡下さい。電話FAX共に0143−27−2777。私はFAXで注文しましたら、2日で届いてしまいました。「母恋めし」を電子レンジで温めたところ、味の良いごはんはさることながら、ホッキ貝がとても柔らかく、かつ歯ごたえが楽しくて、とても満足しました。
ブロートン99のせきねさんは本当に気さくでよいお人柄なお方で、電話で2度ほど少しお話ししただけですが、室蘭を心から愛してらっしゃる方だなとすぐにわかりました。室蘭を心の故郷として位置づけ、さらに駅弁を応援する熱弁サイト「駅弁の小窓」の管理人の私としては、この駅弁を心から応援しています。どうかみなさんも応援してあげて下さい。5月第2週の日曜日「母の日」の贈り物としても最適ですよ。宜しくお願いします。

               

というわけで、2013年9月23日の話に戻します。今回は母恋駅には下車していませんが、駅舎に併設して母恋めし本舗があります。下の画像は室蘭駅にある母恋めし本舗室蘭駅売店の様子。

     

売店の上の方を見るとを見るとわかりますが、「ぐるっと美味しい噴火湾」を室蘭駅弁、「母恋めし」を母恋駅弁と定義しているようです。

     

下の画像は三好製作所が作っている弁当グッズのコーナーです。ワゴンの上に色とりどりのハウス型弁当箱が置かれています。

     

室蘭駅自体が移転してしまい、40年前の面影はどこにもありません。ただ一つ、蒸気機関車がひく客車の窓を開けて顔が真っ黒になったトンネルが新しい室蘭駅のすぐ手前に位置していることが感慨深かったです。昔の味を求めて札幌へと向かいます。

     

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