夏とやま駅弁ぶらり旅 〜その1〜

2012年8月7日から13日まで、1週間ほど富山県内に滞在し、県内の市町村すべてを訪れるという機会を得ました。夏の駅弁を中心に、高岡から宇奈月まで、富山の駅弁を食べ歩きました。

「おわら風の盆」は越中八尾で毎年9月1日から3日まで開催される民謡行事だそうです。今や期間中は30万人もの観光客を集める、富山を代表する祭りとなっているとか。私は見物したことはありませんが、幻想的で優美だという踊りを静かに眺めてみたいとは思います。

    

越中おわら節の哀愁漂う旋律にのって、胡弓の音色が坂が多い町「八尾」の道筋で、無言の踊り手たちが洗練された踊りを披露するそうです。「おわら」の由来は一説に江戸の頃、唄の中に「おわらひ(大笑い)」という言葉を差しはさんで町内を練り廻ったのがいつしか「おわら」と唄うようになったとも言われています。また、昔から収穫前の稲が風の被害に遭わないよう、豊作祈願が行われ、その祭りを「風の盆」というとの説もあります。そしてその「おわら風の盆」に因んだ駅弁があると伺っていましたので、一度は食べてみたいと考えていました。今回は時期がマッチして、現地で買うことが出来ました。上と下は2012年8月8日、富山駅の源売店で事前予約して購入した「風の盆 おわら弁当」1400円。豪華な三段弁当です。風鈴が写った上の画像は、高岡駅のホームで撮影したものです。なお、この駅弁は高岡駅の売店では売られていませんでした。

    

今回購入した2012年バージョンを説明する前に、下は2006年8月20日、CHさんが富山駅源売店で購入した「風の盆 おわら弁当」。 1300円。この時は二段弁当でした。CHさん、貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。

(一の重)
ぜんまい含め煮 にしん昆布巻 甘えび唐揚 豚の角煮 黒豆 かぶら酢の物 ぼうだらうま煮 魚卵の含め煮 よもぎ麩の田楽 紅白かまぼこ べっこう 枝豆 おはぎ
(二の重)
赤飯 穴子入り海苔巻き ますのすし 筑前煮 漬け物

                  

「べっこう」を知らない方がいるかもしれませんので。 富山・石川の郷土料理で、「べっこう」のほか、「えびす」「ゆべし」「べろべろ」などと呼ばれます。 煮溶かした寒天に卵を入れ、 砂糖、醤油で味付けし固めたものを言います。 正月や春秋の祭などでよく出されていたようです。 スーパーの総菜コーナーでも売られていることがあります。

     

越中おわら風の盆が9月1日〜3日まで開催されるのに合わせた限定弁当です。 おわらの里八尾らしい、ぜんまいやよもぎ麩、祭にふさわしい赤飯や紅白かまぼこ、べっこうなど、よく考えられている弁当だと思います。お味も上品です。

     

ついでに下は「佐々成政弁当 黄金伝説」。CHさんが2006年9月10日、富山駅で購入。1000円。 以下はコメントです。
「黄金伝説」とは、戦国時代、佐々成政が佐良越えの際、鍬崎山付近に埋蔵金を埋めたとされるものによるそうです。
真相は不明だそうです。

     

中身はこちらです。 黄金にちなんだ献立となっています。 山菜ご飯の栗甘露煮、うずら卵、金時豆のせ・えび黄金揚げ ・鶏唐揚げ ・鮭黄金焼き・かまぼこ・金時いもレモン煮・煮物(ゆば巻わらび、こごみ、椎茸、たいのこ、にんじん) ・ふきのごまあえ、数の子粕漬添え・きんぴらごぼう・お酢和え、ほうきんの身添え・さくらんぼ。サクランボの下にある黒い昆布巻きのかまぼこが富山らしさを出しております。味は案外あっさりとしていました。

     

さらに、下は2007年3月21日、CHさんが富山駅で購入した「花見御膳」。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。

     

「3月21日、富山駅で購入。1000円。ちらし寿司、煮物、鶏の照焼、鮭の西京漬、菜の花ごま和え、アスパラ、蒸し卵、かまぼこ、三色団子、いちごなどが入っております。春の野菜が多く、非常に上品なお味です。 なお、「螢いかの釜飯」・「たけのこ弁当」とともに季節限定のお弁当です。 」

     

さて、「風の盆 おわら弁当」からどんどん離れてしまいましたが、話を2012年の夏に戻します。

     

下の画像で、右側が「一の重」です。CHさんが紹介して下さった「べっ甲」は、公孫樹の葉っぱの形になって健在でした。その横の串は「つの海老」と黒豆。その他、紅ズワイガニとカブのあちゃら漬、春菊としめじの菊花和え、白海老や里芋、紅葉麩のそば香り揚げ、茄子のごま味噌田楽、赤芋茎の湯葉巻きと銀杏など。左の二の重には海老やカボチャ、薩摩芋などの煮物、いちじくワイン煮、栗の甘露煮、巨峰、銘菓玉風味。

     

そして下の画像では一番右の三の重には、三色ご飯として赤飯、ゆかりご飯、白ごはん。ますのすし、太巻き、赤カブ漬け。祭りをモチーフにしている割にはシックな感じの内容ですが、上品さを併せ持つ弁当となっています。

     

高岡駅前から万葉線に乗ると、終点は越の潟です。ここから県営の渡し船に乗って射水まで行けますが、大きな橋を建設中でした。電車の後ろの建物が船着き場です。

     

下の画像は高岡駅の源専用売店です。

    

下は高岡駅構内チャオ(キヨスク)の弁当売り場。富山駅や黒部駅にも魚津駅にも「味よし」の廉価版寿司が売られていました。また、キヨスクだけでなく、普通のコンビニにも「ますの寿し」おにぎり版をよく見かけました。

    

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