うまい新潟駅弁合戦 〜その4〜

2009年11月22日、「うまさ ぎっしり 新潟」新潟デスティネーションに合わせ、新潟駅で新潟県内7社など計10社による「天地人駅弁合戦」が開催されました。新潟駅を出発した北越4号は柏崎あたりから日本海を眺めながら走ります。その日本海の幸の駅弁が直江津に誕生しました。

     

直江津駅では2つの駅弁業者がありましたが、うち1つが2008年6月末に撤退し、現在はホテルハイマートのみです。特急が発着する昼時には往年の「山崎家」袢纏に鳥打ち帽を被り、ホームでの台売りが行われます。しかし、「べ〜んと〜う〜」のかけ声がないのは残念。その声があれば私のようなオールド駅弁ファンは飛びついてしまうのですが。。。この駅で「北越4号」を下車しました。

     

下は2009年11月22日、新潟駅万代口コンコースで開催された駅弁イベント「天地人駅弁合戦」で購入した「あいなめの煮付けお弁当」1100円。調製はホテルハイマートです。しかし、なぜ新作を「あいなめ」にしたのでしょう。もしかして直江兼続に因んで「愛なめ」ということでしょうか。

      

アイナメはカサゴの仲間で、晩秋から春にかけてが旬だそうです。身は脂肪が比較的多い白身で、そのことから関西では「あぶらめ」とも呼ばれるそうです。まずは今まで駅弁にはメイン食材として使用しなかった「あいなめ」を用いた調製元に感謝したいと思います。個人的には「天地人駅弁合戦」のグランプリと言いたいくらい、今回の駅弁では一番好きなものでした。

     

あいなめの煮付けを最初の一口、切り身の一番上真ん中の部分を食べた瞬間、いきなり小骨に当たりました。アイナメは小骨が多いようです。しかし、その後は一度も骨に当たりませんでした。油っこいという先入観がありましたが、きっと「鱈めし」のような煮方をしているのか、煮汁が染みこんだ白身の味は、むしろ淡白であっさりしていました。身はしまっていて弾力があります。

     

煮魚はもちろん、野菜が多いのもこの駅弁の特徴でしょうか。人参、さつまいも、茄子の煮物の他、プチトマトとパセリ、ゆで玉子を添えた人参とキャベツの温野菜サラダがたっぷり。その他かまぼこ、イカの数の子わさび漬け、甘海老、揚げ出し豆腐など、胃への負担も優しそう。一番美味しかったのは「あいなめの煮付け」のぬるっとした皮の部分。口に含むと中でじわじわとトロけていきました。

     

直江津から「はくたか9号」に乗り換えました。そして車内でこの駅弁を紐解き、越後湯沢までのひとときを「あいなめ」の煮付けで楽しませてもらいました。

     

長く続くトンネルの合間に十日町付近の山々が見られます。遠くの高い山はすでに雪景色、近くの低い山は紅葉が散り始めているという感じでした。

      

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