九州・弁&弁行脚 〜その2〜
2008年2月3日、早朝に博多駅から高速バスで8時22分に熊本へ辿り着いた私は、熊本港に向かう路線バスの中で電話を受信しました。バス乗車中で朝から留守電モードにしていたため、再生して聞いてみると、乗船予定の熊本フェリー「オーシャンアロー」が機材故障で欠航するとのことで、予約していた「船弁」はどうしますか、という内容のメッセージでした。。。
行程上、どうしても船で島原に渡らなければならない自分。この日は節分で鬼が出たのか、、、2年前の夏といい、九州は鬼門かもしれません。よりによって時刻表を持たずに九州へ来た私は、一瞬にして目の前が真っ暗になりました。
すでに熊本港まであとわずかな場所まで移動しているため、今さら引き返すこともできません。とりあえず熊本港まで行こうと思いました。さっそく
リアルタイム旅行記掲示板にこの非常事態を書き、また、メールでも時刻表に詳しそうな方々へSOSの発信です。以下はその時の全文です。
「たった今、熊本港で「船弁」を予約していたフェリー会社から電話があり、乗る予定になっていた高速フェリーが整備不良のために欠航するとのこと。すでに私は熊本港行きのバスに乗っているというのに。。。
他社フェリー9時55分発をご案内ということなのですか、これって南島原11時6分に間に合うのでしょうか?
島原外港からはタクシー使います。時刻表を持って来なかったので、すみません、教えてください。
節分だからじゃないですか、鬼門になりつつあります。集中豪雨の夏を思い出しました。私にとっての九州。」
熊本港に到着し、まずは今回の旅の目的でもある「船弁」をということで、船内売店受け渡し予定だった船弁2種を受け取ろうと窓口に行きました。
し ・ か ・ し
担当の方とお会いすると、こともあろうに、先方のミスで、同じ種類(1500円)のものを2つ作ってしまったという謝罪がまずもってありました。私は1000円と1500円のものを1種類ずつ注文していたのです。もう一つのお代は1000円でいいからと言われるものの、私としても同じものは2ついらないので、交渉の結果、1500円を支払って1つだけにしてもらいました。それがこの「船弁」です。調製は「熊本さくら」。1日10食限定。2007年10月1日から2008年3月末までの販売。背景に写っている船は、振り替え輸送となる九商フェリーの船です。
さて、そうこうしているうちに、砂丘の白兎さん、稲口町さんから立て続けにメールが来て、9時55分の九商フェリーでも何とか16時前までに博多へ戻れそうなことがわかったため、引き返さずに島原へ渡ろうと決意しました。砂丘の白兎さん、稲口町さんには本当にお世話になりました。ありがとうございます。そうと決めたからには、できる範囲で楽しむのが旅の鉄則。さっそく船に乗り込みました。
下は中身です。たいらぎ貝の炭火焼きが入っているというウワサでしたが、季節によって内容が変わるため、今回は見当たりませんでした。容器はさりげなく船の形をしています。牛肉の黒胡椒焼き、有明海苔と蓮根の磯辺揚げなど、地の物が9分割の容器に入った高級志向のお弁当。掛け紙はありませんが、お品書きは付いていました。
下の画像、携帯で写した割にはバッチリと決まりました。船のデッキでスナック菓子を手に持っているとカモメがそれをキャッチしていきます。でも、さすがに紙風呂敷に入った船弁には寄ってきませんでした。
牛肉の黒胡椒焼きはとろけるような旨さでした。また、手前の海老とシメジの黄金焼きも美味。右下の画像で容器が船の形をしていることに気づかれたでしょうか。
下は熊本フェリーの方からいただいた「船弁」パンフレットの上半分。1500円のものが写っています。
下の画像は、パンフレットの下半分に掲載されている1000円の船弁です。写っている船はオーシャンアロー。いつかは乗りたいですが、果たしてその日は来るのでしょうか。。。
船内のドアで懐かしいものを発見。昔、関西に住んでいた頃、電車のドアでよく見ていた「ゆびづめに注意」の表示です。関東の人からすると、とっても怖い表現ですよね。最近は関西でも見かけなくなりました。
雲仙普賢岳が見えてきました。熊本港を出てちょうど1時間。間もなく島原外港に着きます。
さて、当初の計画では2008年3月末で廃止となる島原鉄道の南線に、少しだけでもと乗車予定でした。その計画は、島原外港から路線バスに乗って「安徳駅前」まで行き、なぜか徒歩10分もかかる安徳駅(噴火の災害で移転した新駅)までの道のりを(衛星写真まで用意して)歩き、万全を期して国鉄一般色キハ20に南島原駅まで乗ろうとするものです。その後は諫早まで島原鉄道に乗り継いで抜けるという計画でした。
しかし、計画がズタズタになった今、キハ20の乗車は叶いません。このフェリーは10時55分に島原外港に着きますが、そこから徒歩5分の島原外港駅をすでに10時46分に発車しているキハ20には乗れるはずもありません。
ただ、南島原駅発11時6分の諫早行きには工夫すれば間に合うかも知れない。そう思って、実は「あわよくば成功すれば」の賭けで、島原外港にタクシーを呼んでありました。下の画像はこの日、乗船できなかったオーシャンアロー。左の画像では小さいですが、桟橋にタクシーが停まっているのを確認できます。そして、左の画像は、到着するやいなや(桟橋の決められた通路を経由して)、タクシーめがけてダッシュする直前の画像です。
果たして、下船してたった11分で南島原駅まで辿り着けるのでしょうか?
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