大雪の東北駅弁行脚(後編)その2

2005年12月25日、前日は大雪で辿り着けなかった秋田に、東京からの「こまち3号」を使ってなんとか辿り着きました。23日の旅立ち以来、ずっと遠くに思えていた秋田駅に、やっと降り立つことができたのです。


秋田駅で一番楽しみにしていたのは「秋田名物いなにわうどん稲庭割子つけ麺」でした。「稲庭うどん」は四国の讃岐うどん、名古屋のきしめんとともに日本三銘うどんの一つに数えられます。前の2つには2005年現在には駅弁がないので、日本で唯一の「うどん駅弁」ということになるわけです。季節的には夏から秋にかけての駅弁ですが、今回は事前に予約して、真冬の時期に味わってみることにしました。800円。関根屋018−833−6461

「稲庭うどん」とは、秋田県南部の雄勝郡稲川町字稲庭で作られた「うどん」のことです。稲庭地区は300年以上も前から良質な小麦が穫れ、また栗駒山地からの清らかな水、そして川伝いの交易により貴重だった塩が手に入ったことが合わさって、現在に至るまでの長きにわたり、すばらしいうどんを打ち続けてきたのです。

      

主役はもちろん「稲庭うどん」ですが、駅弁と名乗るからにはごはんも必要ということで、舞茸ごはんがついています。しかしそれはメインではありませんので一番端に置かれています。それは、エビ天ぷらも同じこと。普通の駅弁ならば主役の炊き込みごはんと贅沢おかずを脇役にして、その真ん中にデーンと置かれているのは「めんつゆ」でした。

      

そしてメインの稲庭うどんは6分割。とんぶり、なめこ、おぼろ昆布、錦糸卵、三つ葉、イクラが載った稲庭うどん。かつおだしのめんつゆにつけてつるり〜んと食べます。

      

つけ麺タイプなので一口でがんがん食べられます。かく言う私もこれを完食するのに1分もあれば大丈夫でしょう。しかし、せっかく手にしたのだから、ゆ〜っくりと味わって食べましょう。
で、お味はどうでしょう。うどんの旨さの3条件として、@コシのある歯ごたえ、Aなめらかな舌ざわり、Bツルツルした味わい、というのがあるそうですが、この「稲庭うどん」には、さらに繊細な上品さ、というのが加わるそうです。言い換えると、「線の細さ」というのでしょうか。。。 そう言われてみると、確かに讃岐うどんやきしめんのように強くはなさそうです。

      

この駅弁は秋田駅東口に直結する秋田拠点センターアルヴェ内にあったオープンスペースの中でいただきました。他にもパンやお菓子をかじっている人、中にはカップ麺をすすっている人まで。。。ガラス張りで明るいし、冬でも暖かいこういうスペースは旅人にはありがたいことです。

1時間ほど滞在し、次には酒田に向け「いなほ10号」で出発です。でもその前に、秋田の新しい業者が作った駅弁を見つけましたのでご紹介しましょう。


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