紀州・記念弁当の旅 〜その4・終〜

2009年8月23日から24日にかけて、太陽の眩しい紀州を旅しました。紀伊勝浦・新宮、御坊の各駅で発売中の紀勢本線全通50周年記念弁当を無事購入し、最後に和歌山駅で売られている駅弁を紹介します。

   

下は2009年8月23日、天鉄トラベルサービスの車内販売を通じて、「スーパーくろしお」乗車時に受け取った紀勢本線全通50周年記念弁当「紀州丼」。1000円。記念品として50年前の紀勢本線ダイヤグラムが付きます。

   

特に牛、鶏、魚に関して、紀州各地の代表的な特産物を一つの丼の中に詰め込んだ、贅沢でボリュームたっぷりな駅弁です。

   

参考までに、和歌山駅には紀州の代表的な食材を寿司ネタにした駅弁があります。下は2004年8月2日、和歌山駅で購入した「紀州寿司めぐり」。1000円。

     

握りや巻きずしが合わせて8種類。バラエティーに富んだ紀州の寿司です。このお品書きをどかした後、どれから食べようかなどと目移りしているウチに、中身の画像を撮らずに食べてしまいました。

     

「紀州丼」に話を戻します。下の画像で左上にある球状のものは、最初は南高梅かと思いましたが、太刀魚とホッケの入った魚肉団子だそうです。美味でした。熊野牛も甘辛く煮てあり、上品な味に仕上がっています。それが結構たっぷりと、ご飯の上に載っていたのがまた嬉しいです。鶏肉は紀州梅鶏で、これは梅をベースとして開発された「梅BioX70」という飼料を混ぜて育てた鶏だそうです。肉は柔らかいとは言えませんが、歯応えがあって、噛めば噛むほど深い味わいがありました。

   

そして、驚きなのはご飯です。なんと「鯛めし」。大きなほぐし身がご飯の中に隠れていました。上に載っているものが派手ですし、牛肉の煮汁と混ざり合うことを考えると、そこまでしなくても良いと思いましたが、気になりません。贅沢です。1000円は絶対にお買い得。

   

実は和歌山駅にはもう一つ、紀勢本線全通50周年記念弁当がありました。それは阪和第一食堂の「お料理弁当」1130円。しかし、天鉄トラベルサービスの話ではお盆で販売終了してしまったということでした。 お弁当の内容を聞きたかったので、さらに調製元にも直接確認を取りましたが同じでした。基本的には幕の内弁当です。
ところがこの日、下り「スーパーくろしお」車内で近くの座席の人が車内販売で買った駅弁には汎用容器に「お料理弁当」阪和第一食堂と書かれ、50周年記念のシールが貼ってあり、さらにダイヤグラムまで付いていたではありませんか! 気づいてすぐに車内販売を追いかけて買い求めるも、すでに売り切れ。慌てて調製元に電話してみると、記念弁当と同じ体裁だけれども、内容は違うとの回答でした。なんだかよくわかりませんが、記念弁当とは別物ということで、一件落着。

   

紀勢本線は紀伊の国と伊勢の国を結ぼうと、東西から全通を目指して建設が進められた路線です。その工事は1891(明治24)年に完成した区間から始まり、戦前には東側が亀山市〜尾鷲市、西側が和歌山市〜熊野市まで開通したということです。そして1959(昭和34)年7月15日、最後まで繋がっていなかった三木里〜新鹿がやっと繋がり、紀勢本線が誕生しました。明治時代からの悲願が全通と共に実を結び、それから後は地域住民や多くの観光客などに愛され続け、半世紀である50年が経ったわけです。次の50年もきっと愛され続けていくことでしょう。

   

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