日光発、春駅弁の旅
〜その6・終〜
2008年4月5日、新宿から東武日光へ向かい、そこを駅弁行脚のスタートとして、春らしいお弁当を中心に紹介してきました。そして、この旅のフィナーレは、1908年に創業し、爾来この2008年4月1日で100周年を迎えた横浜駅・崎陽軒の「特別季節弁当 春」と季節限定の「北の恵みシウマイ」で締めたいと思います。
横浜駅東口から徒歩1分、駅前に崎陽軒の本店があります。この地下の展示スペースで、2008年4月3日〜6日の4日間、「崎陽軒創業100周年」記念展示一般公開が実施されました。
崎陽軒は1908(明治41)年、現在の桜木町駅である横浜駅で久保コトさんが構内営業の許可を得て、牛乳やサイダーを売り始めたことで開業しました。「崎陽」とは、港の見える風光明媚な丘のことらしいです。そして、一大転機となったキーワードは「シウマイ」。1928(昭和3)年にシウマイの折詰を販売開始し、1954(昭和29)年にはシウマイ弁当を販売開始し、「崎陽軒のシウマイ」の名を全国に知らしめました。
1955(昭和30)年には愛くるしい醤油差し「ひょうちゃん」が誕生し、1967(昭和42)年に真空パックのシウマイを販売開始、1981(昭和56)年には特製シウマイを販売開始するなどして、着実に成長を続け、今日に至りました。
下は2008年4月5日、予約して浅草松屋の崎陽軒売店で受け取った「崎陽軒100周年特別季節弁当春」1300円。横浜駅、新横浜駅ほか、崎陽軒専用売店23店舗にて2008年4月1日〜30日までの1ヶ月限定販売された特別記念弁当です。
蓮根や人参、椎茸、干瓢が入ったちらし寿司の上には煎り蟹、とびっこ、錦糸玉子が載っています。さらに、定番の特製シウマイが2粒、おめでたさを祝う海老真丈道明寺蒸し、銀鱈照り焼き、海老二身華揚げ。さらに花蓮根、筍、梅人参などの煮物、玉子焼き、山菜当座煮、大根味噌漬け、桜餅が入った豪華な内容です。
玉子焼きには「崎陽軒」の焼き印が押されています。100年の伝統が見事に詰まった、そして季節も会社も春爛漫の自信作と言えましょう。
続いて「北の恵みシウマイ」650円です。こちらも崎陽軒100周年特別シウマイで、2008年4月1日から5月31日まで限定販売の逸品。消費期限は冷蔵で4日間。右下の画像は1950(昭和25)年に登場したシウマイ娘が着ていた衣装。
枝豆やコーン、イカなどが入り、北海道産の原材料にとことんこだわったシウマイにしたのは、シウマイ作りに欠かすことのできない、味の決め手である「干帆立貝柱」などの原材料は北海道に由来しており、その食材への感謝の気持ちからなのでしょう。
6粒入りです。食感が楽しいです。個人的には「干帆立貝柱」を通常よりも沢山入れた昔ながらのシウマイ」を食べてみたかったですが、この北海道シウマイはそれはそれで美味しく、とても楽しめました。
崎陽軒のマスコットと言えば「ひょうちゃん」。「フクちゃん」でお馴染みの漫画家・横山隆一さんが目鼻を描いてくれた醤油差しは、最初(昭和3年)は小さなガラス瓶で、戦後に瓢箪型の白い磁器になったそうです。48種類の顔の表情は創業80周年であった1988(昭和63)年の2代目「ひょうちゃん」(イラストレーターの原田治さんにより誕生)からは80種類となり、コルク栓もゴム製に変わったということでした。2006年〜2007年にかけてはクリスマス絵柄の「ひょうちゃん」も誕生しましたね。
100周年を機に、崎陽軒は「横浜のおいしさを、創りつづける。」と宣言しました。これからも期待しています。そしてもう一つ、駅弁ファンとしてお願いしたいことは、JR系でない駅弁屋の代表格を今後も自覚してもらい、駅弁界の盟主として、将来の永きにわたって「駅弁」を守り、「駅弁文化」を継承していく宣言をぜひともしていただきたいと強く希望します。
「日光発、春駅弁の旅」を最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました。
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以下はオマケです。2008年6月1日から8月31日まで販売された「黒豚シウマイ」700円。2008年7月20日、横浜駅で購入しました。
「崎陽軒という社名の由来にもなっている、「崎陽」は長崎の別名であり、崎陽軒にとって会社の創業当時より縁のある土地でもあります。そこで、100周年を機に、長崎ひいては九州の食材をふんだんに使用した新しいシウマイを開発しました。」という紹介にもあるように、非常に旨味のある、鳥栖のシャオマイを思わせる深い味わいがあります。味の決め手はアゴ(トビウオ)出汁だそうです。九州産の竹の子と椎茸の食感も含め、子どもたちが「ウマイ!!」と絶賛しました。
下は2008年7月28日、ひだちゃんが横浜駅で購入した「崎陽軒100周年特別季節弁当夏」1300円。貴重な画像どうもありがとうございました。
2008年6月1日〜8月末まで販売されたお弁当。穴子ごはん、穴子蒲焼き、錦糸玉子、特製シウマイ、金目鯛の照焼き、海老の松の実揚げ、海鮮蒸し、しめじの山椒煮などが入っています。
下は2008年9月23日、横浜駅前崎陽軒本店で購入した「特別季節弁当秋」1500円。
今回のご飯はキノコご飯。シメジ、紅葉にんじん、イチョウかまぼこ、栗が載っています。
焼き魚はメカジキ。カニ風味ボール、椎茸、花蓮根の含め煮、有頭海老旬彩焼き、お馴染み「崎陽軒」の焼き印が入った厚焼き玉子、特製シウマイなどのおかず。
海老芋の肉みそ鋳込み、なると金時レモン煮などに秋の実りの季節を感じさせます。
下は2008年9月23日、横浜駅のコンコース売店で購入したシルクシウマイ」。
実際にシルクが入っているわけではありませんが、シルクのようなきめの細かい、滑らかな食感が楽しめました。定番化して欲しい商品です。
下は2008年12月13日、東京駅大丸で購入した「特別季節弁当冬」1500円。2008年12月の1ヶ月間のみの販売。
今回のご飯はカニちらし寿司でした。カニ肉南蛮酢和え、カニ棒肉甘酢和えということで、酢加減を変えています。さらに、イクラ、錦糸玉子が載っています。
おかずはブリの照り焼き、ふぐ皮入りつみれ含め煮、ニシン昆布巻き、帆立の湯葉衣蓑揚げ、イカとエビの包み蒸し、鯖と蓮根の生姜風味和えなど。
下は2008年12月14日、崎陽軒本店で購入した「百周年記念シウマイ詰め合わせ」。1500円。2008年12月1日〜23日までの限定販売。
北の恵みシウマイ4個、黒豚シウマイ4個、シルクシウマイ4個の計12個入り。いずれも100周年の季節シウマイだったものです。
ひょうちゃんの醤油さしは通常の物よりも大きめでした。家族の評判では1位黒豚、2位シルク、3位北の恵みでした。それぞれを単体で買った時とほぼ同じ反応でした。ぜひ定番商品化してほしいものです。
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