山陰シブイ駅弁の旅 〜その1〜

2006年10月6日19時10分、新宿駅新南口(画像左)を定刻発車した高速夜行バス「いわみエクスプレス」は、大田、益田を経由して津和野駅(画像右)に翌朝8時15分、定刻よりも1時間早く到着しました。

    

遠い昔にC57の牽引する「SLやまぐち号」に乗って下車して以来、4半世紀ぶりの津和野駅でした。

     

持っている指定券は9時58分発の「スーパーおき2号」。まだ1時間半以上あります。予約した駅弁も駅うどん店の開く9時までは受け取れません。そこで、せっかく山陰の小京都に来たのだから、ぶらぶらと町を歩くことにしました。

       

津和野はあちこちに水の流れる音がする、落ち着いたいい町です。特に朝はすがすがしくて最高。徒歩で一回りして、駅まで3分ぐらいのところ、郵便局のすぐ近くに駅弁屋のくぼたを偶然発見しました。

左奧の調理室で黙々と駅弁を作っている帽子が3つ、わずかに見えましたので、許可をもらって撮らせていただきました。幸い、駅弁はもうできていました。そこで、ちょっと変わった駅弁を受け取りました。

       

JTBの時刻表から「弁」マークさえ消えてしまっている津和野駅ですが、「かしわめし」、「山菜弁当つわぶき」、「かに寿し」、そして「幕の内弁当」以外にも、知る人ぞ知る「隠れ駅弁」があったのです。販売時期はまったくの不定期。掛け紙は「幕の内」を代用して、さらにゴム印を捺すという、「うなぎ弁当」と「いなりずし」です。

早めに駅弁を手にできたので、さっそくいただきます。もちろん列車内で。1本早い9時11分発のキハ40単行に乗り込みました。駅弁を食べるシチュエーションはまずまずです。

     

どちらも箸休めに至るまでしっかりとした作りです。容器が経木折というのもいいですね。

     

津和野名物である「まめ茶」と一緒にいただきます。麦茶よりもコクがあっておいしいお茶ですよ。

   

ちょっと小振りないなりは味付けも濃くて、するすると胃の中に入っていきます。九州を思わせる梅型かまぼこや海老煮、小魚の佃煮、そしてデザートまで、こんなにおかずがある「いなりずし」も珍しいですね。630円。

     

次は「うなぎ弁当」840円。ごはんの上に錦糸玉子が敷かれ、その上にうなぎが3切れ。

     

こちらも濃いめのしっかりとした味付け。焼き目も付いていて、中もふっくらでした。

     

今度はいろいろな観光施設が開く時間までゆっくりしてみたいですが、なかなかどうして、静まりかえった朝の小京都を歩いてみるのもたまにはいいものです。

     

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