北陸・駅弁王国の旅 〜その5〜

2007年8月24日、福井から特急サンダーバードに乗って敦賀まで来ました。その9日前の8月15日、稲口町さんが敦賀駅で見かけた看板の真相を確かめるにはちょうどよい機会となりました。

以下は稲口町さんの疑問。
「敦賀駅構内に画像のような店がありました。売っている寿司は駅弁扱いになるのでしょうかね…」


私(上ちゃん)
「自転車が見えますが、改札外でさらに駅舎の外側ですか? 参考までに位置を教えてください。「駅弁」と名乗っているようですが、実際に売られているのがどんな感じの寿司なのか、それにもよると思います。」

稲口町さん
「場所は改札外で駅舎と同じ棟だったと思います。食事がメインの店のようです。」

CHさん
「このお店は塩荘売店の隣(といってもそこは待合室の外)にあります。一度も入ったことがないので、何が出てくるのかはわかりませんが。」

そこで、行ってきました2007年8月24日。改札口を出て駅舎内左手に待合室があり、そこには持ち帰り寿司屋と塩荘売店が隣り合わせに位置し、さらにその横には観光案内所があって、そこを過ぎると駅の外に出ます。話題になっている寿司屋は駅舎の横に位置していると言った方がわかりやすいと思います。但し、建物自体は続いているので、駅構内でもあるかなと。。。下の画像には写っていないのが残念ですが、この寿司屋は画像の右端からさらに右方向にあります。

   

下の画像のようなたたずまいで、確かに「寿し屋の駅弁」と主張しています。店に入り、「駅弁の体裁をしているのですか?」と訊ねると、折り箱も掛け紙もなく、ただラップを巻いて箱に入れてあるだけの持ち帰り寿司です。包装もありません、という返答でした。しかも、お持ち帰りできるのはすべての種類の寿司と聞いてさらにガックリ。何でもありなんだと。。。しかし、せっかく来たので「敦賀らしい寿しを1つお願いします。」と言うと、「じゃあ、焼さば寿しにしますね。」と言われて5分待ちました。そして、渡された袋の中身も見ずに840円の代金(後で見たら箱には1000円とありました。チラシには840円と書いてあります。)を支払い、おまけだという天津甘栗ももらってお礼を言い、駅弁のことはもう何も言わずに店を出てしまいました。

    

しかし、再び敦賀駅のホームに出て、待合室でこの日3回目乗車の特急サンダーバードを待つ間、どんなものか見てみようと袋をまさぐって出てきたのがコレ。あれれれ。。。なんか、塩荘のパッケージタイプの駅弁みたいじゃないですか。しかも、「JR敦賀駅構内 若狭海鮮鮨 届」と記載されています。さらにチラシを見ると「さば寿し」にも専用パッケージがあったことが判明。店員さん、もっと自信を持って答えて欲しかったな、と思いました。これはやっぱり駅弁の体裁をしています。箱に「JR○○駅構内」と書かれているのは日本鉄道構内営業中央会会員以外ではむしろ珍しいくらいです。これはこの寿司屋さんが主張していたように、広い意味での「駅弁」と認めてあげる必要がありそうです。

   

中身は焼き鯖ですが、箱の裏には「ノルウェー産」と書いてありました。840円の値段では国産は無理なのでしょう。焼き鯖とシャリの間にはガリが敷かれていました。さらに全体をおぼろ昆布が巻いています。

   

実際につまんでみると、味はノルウェー産でも全く気になりません。脂もそれなりにのっているし、美味しい焼き鯖の棒寿司でした。日持ちはしませんが、その日のうちに食べるのならば、良いお土産にもなるでしょう。

   

敦賀に新しい駅弁を認めたところで、次は明治36(1903)年創業で100余年の伝統を持ち、この駅での駅弁販売を続けてきた塩荘の駅弁にて、この旅の最後を締めくくりたいと思います。


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