天竜・浜名の駅弁旅 〜その3〜

天竜浜名湖鉄道に本格駅弁登場!

2009年夏、元国鉄二俣線である天竜浜名湖鉄道に本格駅弁が登場しました。その名も「ふる里弁当 天竜どんこちらし」。さらに2009年秋のシルバーウィーク(2009年9月19日)からは「まいたけ弁当」が加わり、天浜線の旅に楽しみが増えました。

     

訪れたのは2009年9月27日。下は天竜二俣駅の待合室に貼られていた駅弁のポスターです。「土日祝11時から販売」と書かれていますが、この日は午前10時から売られていました。950円。なお、予約は3個以上から受け付けています。これは通常販売の10個とは別の扱いとなるそうです。

     

駅の窓口に下のような感じで売られているのかと思ったら、これは見本(空箱)でした。駅弁を買いたい旨を窓口で駅員に伝えると、中から出してくれました。そして、その駅員を見た瞬間、顔に見覚えが。。。なんと、私の知り合いでした。20年ぶりの再会にビックリ!!

     

駅弁を食べる前に、付近を散歩してみましょう。左下の画像は天竜二俣駅に停車中の車両。3番線ホームまであります。右下は車両基地(機関区)の方から見た天竜二俣駅です。

      

機関区には転車台があり、今でも現役です。扇形庫は1940年にこの駅(1987年までは「遠江二俣駅」でした)が開業した時からあり、国の登録有形文化財に指定されています。毎週金、土、日、月、祝日には10時40分、13時40分から転車台見学(所要時間45分)が実施されており、100円の入場料を支払えばスタッフが案内してくれます。また、参加者には見学記念硬券がもらえます。車で来ても駅の東側に駐車場がある(見学のための駐車料金は100円)ので大丈夫。私はこの日、2回この駅を訪れましたが、惜しくも両方の時間に遅刻してしまいましたので見学ツアーへの参加はできませんでした。

     

さて、駅弁をいただきましょう。賞味したのはなぜか飯田線の佐久間駅ホーム待合室でした。駅弁の調製元は「天竜膳 三好」。掛け紙には「天竜浜名湖鉄道推奨」と書かれています。

     

「どんこ(冬磨j」とは直径が3〜4センチで、笠が開いていない、身の締まった肉厚の乾燥椎茸のことを指すそうです。因みに「どんこ」よりも一回り大きく、直径4〜6センチで傘が8分ほど開いているものを「こうしん(香信)」と呼び、それ以上の乾燥椎茸を「大つぶし」と言うそうです。

     

ちらし寿司の上に刻み海苔、錦糸玉子が敷かれ、さらにその上には天竜産どんこ椎茸の煮物、鰻、鶏肉、桜でんぶ、かまぼこ、紅葉の形をした人参、絹さや、うずらの卵、生姜、そしてデザートとして自家製大福が付いていました。とても彩り豊かな寿司駅弁に仕上がっています。

     

せっかく佐久間まで来たので、佐久間ダムとのツーショットを撮っておきます。本当に山の中です。ダムが作られた川は、もちろん天竜川です。

      

下の画像ですが、もう1種類の駅弁です。2009年7月販売開始の「ふる里弁当 天竜どんこちらし」に続き、9月19日からは「まいたけ弁当」が販売開始されました。こちらも10食限定で950円。調製元は「きよみ」。今回は「秋景色」と書かれています。季節によって内容が変わるのでしょうか。

     

最初は駅弁名が書かれたシールを透明容器に貼っただけのようでしたが、なんとか駅弁としての体裁を整えようとしたのか、汎用の帯を付けたみたいです。しかし、それによってシールは見えなくなってしまっています。そこで、帯をはずしてみました。どうせなら帯にシールを貼ったらいいのにと思いました。

     

中身です。舞茸ごはんはおこわ風でもっちりとして、歯応えもなかなかのもの。うずらの卵はウサギの姿を模しています。焼き魚、天ぷら、野菜の煮物、ワサビ漬けなどが入ります。

     

薩摩芋が入っていたり、栗があったり、舞茸の天ぷらなど、季節感はありますし、肉団子や野菜の煮物など、おかずの数も多いですが、そこまで凝らなくて良いから大ぶりの椎茸煮や鮎の塩焼きを思い切って入れるなど、もう少し地域の特性をアピールしたような内容が欲しいです。自分が天竜二俣からさらに奥、佐久間に5年間住んでいた思い入れもあって、少し注文が過ぎてしまったかもしれませんが。。。

     

天竜二俣の駅前には機関車公園があり、C58形蒸気機関車389号機が静態保存されています。しかし、あまり良い状態ではありません。浜松には天浜線にSLを復活させようという運動もあるようです。

     

また、駅構内にはキハ20形気動車とB寝台客車のナハネ20形が展示されています。現在ではボランティアによる修復活動が展開されているようです。

     

これらの車両の展示場所は天竜二俣駅のすぐ横に位置しています。時間があれば見学すると、ノスタルジックな昭和の雰囲気に浸ることができます。

      

ところで、以前あったという駅構内食堂「彩花彩菜」の3日前予約弁当の「田楽弁当」?はもうなくなっていました。食堂はちゃんと営業しています。また、1番線ホームにはかつて走っていたトロッコ列車の前面部分が置かれていました。

      

秋桜が咲く線路端に佇みながら浴びる午後の陽射しは、ひときわローカル線の雰囲気を漂わせるばかりでなく、旅情を感じさせる瞬間でもあります。

     

そして、この駅でバスに乗り換えて天竜川の舟下りでも楽しんだあとは、再び天浜線の気動車に乗ってローカルな旅を続けたくなることでしょう。

     

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