下は2012年3月3日、三島駅で購入した「沼津 香まだい寿司」980円。2012年3月1日からの発売です。北陸や瀬戸内海に押し寿司や握り寿司としてよく見られる鯛寿司ですが、鯛のそぼろ駅弁ばかりが目立つ湘南〜東海地区に、しっとりと握りのような真鯛の切り身が載った鯛ちらし駅弁が誕生しました。

     

パッケージを見てもわかるように、桃中軒の看板駅弁「港あじ鮨」の姉妹品のような雰囲気です。期間限定でもないことから、今後は主力商品として位置づけられることでしょう。「富士山の雪解け水が流れ込む駿河の海で育まれたこだわりの真鯛 沼津直送 香り高い伊豆天城の山葵を一緒に召しませ」と書かれています。実は使用されている真鯛は沼津市内浦漁協から仕入れた養殖鯛なのだそうです。鯛の養殖は内浦湾で盛んであり、沼津市の出荷量は県内シェアのほぼ100%を占めるほどです。鯵もそうですが、天然よりも養殖の方が身のふくよかさ、脂ののりが良いように思われます。桃中軒では地域資源を使った商品開発を行う沼津市の支援事業として、2011年5月から開発を進めてきたということで、1年近くの研究成果が実ったわけです。

     

なぜ「香まだい寿司」というふうに「香」の文字が入っているのか? それは静岡県産のダイダイを使った特製の酢でタイの切り身をしめ、昆布のうまみをしみこませているからです。すし飯がどことなく柑橘系でフルーティーなのは、そういう秘密があるからなのでした。鯛の切り身は昆布〆と炙りの2種類で、鯛特有の淡泊さはあるものの、噛むと深い味わいが感じられ、飽きさせません。シャリには山葵葉や茎を散らしてあり、それが真珠色のような鯛の白身に透けて見えているのは、今治駅「瀬戸の押し寿司」を意識しているのかいないのか。真鯛と一緒に食べればシャキッと締まった味わいが楽しめます。私流のオススメ食べ方としては、醤油をつけずにまず召し上がれ。ダイダイの風味に気づくはずです。次はプラスティック製のおろし金で本山葵をおろして鯛の切り身に載せ、一口でどうぞ。シャープな味わいが経験できます。さらに次は醤油をたらしてみてください。刺身感覚ですね。そして最後に醤油と山葵を一緒にどうぞ。

     

続いて下は「映画『わが母の記』公開記念 富嶽あしたか牛すき弁当」930円。2012年4月28日からの映画公開に合わせ、この日から2012年5月31日までの期間限定駅弁です。2012年4月28日に三島駅で購入しました。

     

従来の「富嶽あしたか牛すき弁当」と異なるのは、上に載っている具がジャガイモとカボチャからニンジン、スナップエンドウに変わり、この映画の原作者、井上靖氏の故郷である伊豆天城の名水を使用した焼き豆腐、伊豆天城産わさび使用のわさび味噌(下の画像でバランの上)が新たに加わったことでしょうか。

     

この駅弁、実は全国に展開した記念弁当シリーズ、映画『わが母の記』公開記念「すきやき弁当・静岡版」でもあり、東京地区ではNRE「すきやき弁当」1000円、岡山駅で三好野本店「すきやき弁当」1000円、小倉駅で北九州駅弁「黒豚すき焼き弁当」1050円が、それぞれ期間限定で発売されました。私は地元のよしみか縁あってこの映画の原作者、井上靖氏と生前お会いしたことがありますし、そのご親族、そして映画監督にもお会いしたことがありますが、井上靖氏の好物は幼少から「カレーライス」だったはずなのに、なぜ「すきやき」の駅弁なのかと思ったら、「古き良き昭和の時代と家族で食卓を囲んだすきやき。家族の味として、どこか懐かしさも感じる“母の味”を楽しめるをテーマに商品化した。」ということなのだそうです。

     

下は2009年9月5日、三島駅で購入した「富嶽あしたか牛すき弁当」930円。その前日より販売開始されました。

     

「あしたか牛」は高品質でコクのある肉質と言われ、平成12年度全国肉用牛枝肉共励会F1種最優秀賞を受賞したそうです。日本でもトップクラスの牛肉ということになるのでしょう。2008年には地元の「セブ○イレブ○」で一足早く似たようなお弁当が売られていましたので、いつか駅弁になるといいなと思ってきました。

     

牛すき煮、そぼろ煮の2種類が楽しめます。煮玉子、しらたき、ねぎ、カボチャも入ります。白梅型のものはジャガイモ。「みしまコロッケ」の食材である「三島馬鈴薯(メークイン)」だったらもっと良かったのにと思います。でも、930円なら安いです。電子レンジにかけなくても肉は柔らかいです。

     

下は2012年4月4日、三島駅で購入した「寿太郎チキン丼」680円。この日から5月13日までの期間限定駅弁でした。

     

第42回沼津農林まつりぬまづの丼コンテストで優秀賞となったレシピをもとにして、沼津市西浦産「寿太郎みかん」のジャムを焼きチキンに和えたその上に野菜のあんをかけたものがおかずになっています。チキンライスはオニオン入り。

     

下は2012年4月28日、三島駅で購入した「寿太郎チキン丼」680円。丼らしくおかずをチキンライスの上にかけて食べてみました。

     

下は2012年3月18日、三島駅で購入した「静岡春便り春こまち」1000円。3月より販売している季節限定弁当です。上段に寿太郎みかんと鶏肉の甘酢炒め、三色玉子焼き(桜えび入り)、筍のあしたか牛はさみ揚げ、里芋の桜えび入りごま団子、鰆の菜の花焼き、鶏肉のチーズロール、花人参、ししとう、レタス。下段には桜ふぶきいなり、茶むすび(生茶葉入り)、ぬまづ茶のつくだ煮といった内容です。「長泉旬便り 冬うらら」というのもありました。

     

最後に下は1978年頃から頻繁に購入した「桃中軒のしうまい」。今は購入できないのが残念ですが、歯ごたえのあるしっかりとした味の「しうまい」でした。

     

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