東華軒の近代駅弁工場見学記  トップページへ戻る
 
※2005年1月19日午後、大学鉄道研究会の2年先輩Bさん(小田原市在住)と一緒に東華軒の近代駅弁工場を見学してきました。案内役は当サイトの掲示板でもおなじみ、営業本部ご予約センター兼商品開発チーム所長の阿部さんです。

           

東華軒の本社工場は名目上は5階建てですが各階の天井が高く、実際は10階近くあろうかという高層建築です。最上階からは箱根山や富士山、大山、相模湾が一望できる酒匂川のすぐ近く、小田原市内に位置しています。
近代的な工場は1階〜3階の部分。3階で下ごしらえ、調理したものと、2階で炊飯したごはんとを、1階で詰め合わせて出荷するというシステムになっていました。
各階は工場見学コースが整備されています。ただ、耐震用のガラスには針金が組み込まれており、また被写体が遠かったことから、上手に撮影できなかったことをご容赦ください。

右は画像がはっきりしませんが、3階にある調理室です。
調理室には回転釜、自動蒸し機、遠赤外線魚焼き機、自動玉子焼き機、自動フライヤー、自動魚焼き機、真空冷却器など、業界でも注目の先端技術をいち早く取り入れています。下ごしらえ室で肉や野菜が下準備されたあと、これらの機械でおかずや惣菜が作られていくのです。
上の画像は2階です。炊飯室では2ラインの炊飯器を設け、白飯、酢飯、茶飯などを、1時間に1500食も炊くことができるそうです。おにぎりはロボットで作られます。また、寿司は下の画像にもあるように、ロボットの流れ作業で自動包装されて商品となります。さらに、いなり寿司などは専用の自動製造機で一度に大量の製造も可能だそうです。
また、この階にはベーカリー室もあり、パンが製造されています。
下の画像の説明です。1階では3階や2階で作られたおかずやごはんが送られ、詰め作業を行います。詰め合わせコンベアーは3ラインフル稼働させると1時間あたり3500食も作ることができるそうです。また、米、酢、醤油は1階の各タンクに貯蔵されていますが、すべて各階に自動的に送られるということでした。
できあがりは行き先別に分けられ、車で配送されます。
                                
今回の見学では、東華軒の近代的な設備にただ驚くばかり。駅弁だけでなく、仕出し弁当やベーカリー類まで製造していることがわかりました。
また、4階の社員食堂には「駅弁コンテスト」の張り紙がありました。社員のアイデアを結集して日々新作駅弁の開発に努めているというのがよくわかりました。それでこそ2004年の新作ラッシュも可能だったのでしょう。
所長の阿部さんはご多忙な方で、私たちとお話ししている時に何度も館内放送で呼び出されていました。本当にお忙しいところありがとうございました。

おまけ 
 「ハローキティリボン弁当誕生の苦労」

2004年10月に売り出され、ヒット商品となった「ハローキティリボン弁当」。阿部さんはじめ、東華軒の商品開発チームの熱意とご苦労が偲ばれる駅弁ですが、現在の内容に至るには、試作を繰り返して何度も何度も検討を重ねた努力の結果だったように思われます。

今回、当サイトの掲示板に2004年10月、東華軒さんから投稿していただいた、ボツになった試作品の一部をご紹介します。見た感じ、じゅうぶん商品になりそうな気もしますが、最善のものを作るためにご苦労されたその軌跡がよくわかります。
[ボツ作品その1]

これは「猫まんま」編だそうです。
おかかがごはんの上にのって、鮭フレークものっているとなれば、いかにも猫が好きそうな駅弁でしたね。
ちなみに私はこれで十分に満足できますけど。。。
[ボツ作品その2]

これは「のり弁」編だそうです。
のりとたまごで「のりたま」の雰囲気がありますし、キティの絵も大きくてかわいいですよ。ゼリーも付いて言うことないと思うんですが、どこがいけなかったんでしょうねえ。。。
・・・結局、これらがボツになったのは、阿部さんによれば、「このほかに10点ほど試作しましたが、いずれもアダルトキティラー向けの容器のコンセプトに合わず。泣く泣くボツになりました。」ということだったようです。

[最終決定作品]

で、最終的には右のようになったのでした。キティの大学芋が真ん中に来て、確かにスッキリしましたね。さりげないキティのアピールはまさにアダルト向け。ごはんのピラフもカラフルですし、おかずもボリューム感があります。

こうして何度も試行錯誤を繰り返したからこそ、子どもだけでなく、大人にも好評のキティ弁当が誕生したということでしょう。とても勉強になりました。

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