3月27日早朝、その日私は大阪にいた。奇跡の当日キャンセルのおかげで『白兎』のきっぷがとれ、半分以上ぬけがら状態。そんな本体に、223系快速電車米原行の窓からぴーかんの空がやさしく微笑む。 ♪新しい朝が来た 希望の朝が よろこびに胸を開け 大空仰げ…♪ ラジオ体操の歌が頭をよぎる。そう、これから少し特別な旅が始まるんだ。いつもみたいに乗り換える必要の無い、ちょっぴり贅沢な旅…。 京都駅に着いて、まずは乗車券購入のために一旦改札外へ。大阪駅から京都駅へは『ICOCA』を使ったのだが、田舎者には不思議な感覚。カードをポンと機械に触れただけでゲートが開く…。きっぷや『Jスルー』のようなぶち込みカードの挿入でゲートが開く、自動改札機に初めて遭遇したときより驚きが! 京都〜米子(経由:山陰)のきっぷで再び改札を抜け、山陰線の30番台切り抜きホームへ。手前のJR系の駅弁屋さんから記念駅弁を大量入荷(当日にきっぷがとれたので、途中停車駅の駅弁屋さんに予約を入れておず、乗車時間が長いため、朝と昼と夕方の分。もちろん掛紙も。)し、いざ旅路へ! 『白兎』は発車17分前にいそいそと32番線に入線。最初で最後のリニューアル京都駅山陰線ホームでのキハ28・58系急行形気動車を一目見ようとすごい人だかり。上野駅のリバイバルトレインのように怒号飛び交うトラブルが無くて本当によかった…。 9時8分、いろんな人に送られて『白兎』は昔通った山陰路へ…。昔の山陰線である嵯峨野観光鉄道線を通らなかったのは少し残念だったが、京都口,福知山口の普通電車を横目に疾走する老紳士は、米子の西日本最大規模老人ホームからの2日間外出許可というプレゼントを満喫しているかのようだった。 私は、横浜から来た御孫さんと米子に旅行するという大阪在住の老人と、金沢からはるばる『サンダーバード』でやってきて汽車旅を満喫しにやってきた21歳の社会人の若者と相席。若者はたった1日の休み故福知山までの乗車で、また金沢へとんぼ帰りしてしまったが、いろんなジャンルの話ができて楽しかった。 そして福知山からも、残った3人で車窓眺めながら駅弁を食らいおしゃべりをし、計7時間47分に及ぶ長い旅路が、ほんの3時間程に思えた有意義な旅だった。 |
最後の急行形気動車グリーン車キロハ28。まだスクラップになってません。ひとまずホッ(-.-)あの2両、保存して欲しいものです。 車両展示会にて。キハ58・28系急行『白兎』 |