2007年7月15日、所用で水戸に行ったついでに足をのばし、いわき駅へ行きました。ここには2007年7月1日より新作の駅弁が出ているとの情報があったからです。
ちょっとここまでの経緯を振り返ってみますと、いわき駅で115年の歴史を持つ調製元の住吉屋さんが2005年5月末、後継者不足により駅弁から撤退、廃業しました。それを受けて翌6月からは日立、水戸の3駅弁業者に駅弁販売がリレーされました。その間2年。駅弁はそこそこ順調に売れていたそうです。
しかしながら、3社がそれぞれ1日2往復、朝4時半と正午頃に駅弁を100キロ近く、それも自動車や電車で2時間近くかけていわき駅まで運搬してきたというのは想像以上に大変だった、と伺いました。そこでついに2007年6月末で3社(海華軒はもっと早く撤退した模様)とも、2年間続いたいわき駅での駅弁販売から撤退すると決めたようです。その結果、残された共同売店をNREにお願いする形で、2007年7月1日よりNREの駅弁が売られることになったということでした。
しかし、後を託されたNREが東京と同じ駅弁を売るだけでは地域色が出ません。2005年に住吉屋の名物駅弁「うにめし弁当」を鈴木屋が受け継いだように、いわきでしか買えない、何か特色のある目玉の駅弁が必要で、可能な限り地域の駅弁を育てたいという考えがNREにはあったのでしょう。そこで白羽の矢が立ったのが、いわきでカニ料理を中心にシーフードレストランを展開する
メヒコ(本社は東京)の「カニピラフ」だったのではないでしょうか。そして、いわきらしい新発売「ウニピラフ」の弁当を加え、それが駅弁「いわきカニピラフ弁当」「いわきウニピラフ弁当」を生んだのかもしれません、あくまで想像ですが。
2007年7月15日、いわき駅で購入した「いわきウニピラフ弁当」、1000円。
中身です。こんなにもウニが入っていていいのかと思えるほどの贅沢さ。2007年7月現在、1日3回、いわき駅のホーム駅弁売店(朝6時半〜夜8時半まで営業)に15個ずつ、合計45個並びます。また、常磐線の特急列車スーパーひたちの車内でも運が良ければ買い求めることもできます。
メヒコのお店で出される「ウニピラフ」は、ウニで炊込んだご飯にムール貝とほたて貝柱が加わりますが、こちらはマッシュルームと蒸しウニ、そしてピーマンで彩りを添えます。
米はうるち米を使用。これにワインと醤油とバターで味付けをし、ウニと一緒に炊き込みます。麻薬的とも言えるウニの旨味とコクの秘密はこの味付けにありそうです。ウニピューレも使用しているとか。電子レンジで温めればさらにおいしくなるでしょう。従来の「うにめし弁当」も美味しいですが、敢えて言わせていただくと、申し訳ないですが、「いわきウニピラフ弁当」の方が私には数段おいしく感じられました。さすが、シーフードレストランの味です。これは超オススメです。ウニの嫌いな私の子どもたちも、電子レンジで温めたものを与えたら「これなら食べられるし、本当に美味しい!」と大喜びでした。
上は2007年7月15日にいわき駅で購入した「いわきカニピラフ弁当」です。メヒコの看板商品がそのまま駅弁となりました。1000円。
こちらはバターライスとカニの剥き身が絶妙なハーモニーを奏でているという感じで、これは一度食べてしまうと病みつきになりそうです。カニを殻ごと炊いたということで、コクがあります。また、バター風味の完璧な洋風ですので、いつも酢飯のカニ寿司や和風のかにめしを食べている私にはとても新鮮かつ衝撃的な味でした。カニ足は裏返すとしっかりと殻が削がれていて食べやすくなっています。
どちらも本当においしく、駅弁のレベルを超えたレストランの洋食弁当だと思います。いわき駅に来たらどちらかを買うのではなく、両方買って食べ比べることをぜひオススメします。下は2008年8月22日、将棋仮面さんがいわき駅で購入した「いわきカニピラフ弁当」です。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。
「初めていわきに行きました。カニピラフ弁当を購入し、美味しく頂きました。さすがは専門店、絶妙な味でした。しかし、値上げラッシュの折、カニの量が減っていました。」
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※メヒコの「カニピラフ」と「ウニピラフ」(駅弁の体裁はしてません)を食べたい方は→