2006年7月29日、花巻駅で購入した「注文の多い料理店」。
上は花巻駅全景。下は2006年に宮沢賢治生誕110年祭を知らせる駅前の垂れ幕。
「雨ニモマケズ」、「風の又三郎」、「銀河鉄道の夜」などたくさんの名作を遺した宮沢賢治は、1896(明治29)年8月27日、花巻生まれ。戸籍上は8月1日出生。そこで上の画像にもあるように、2006年8月1日〜8月27日まで花巻の宮沢賢治童話村で「賢治生誕110年祭」が催されました。
「注文の多い料理店」は生前に刊行された唯一の童話集の名前でもあります。この駅弁「注文の多い料理店」は宮沢賢治生誕百年を記念して1996年に登場したもの。駅弁の名前を童話集からとったということですね。
むしろこの駅弁は、「ビジテリアン大祭」という賢治の作品にヒントを得ています。ちなみにこの話の内容を一言で言えば、世界各国の菜食主義者の代表が集まったものの、反対分子が紛れこんでいて、祭りは大論争の舞台となってしまう、という話。この駅弁は作品の中で、大祭に出席した人物たちが好んで食べたと思われる食材をヘルシーに調理したというお弁当なのです。
実は宮沢賢治自身もヴェジタリアンとして知られていますが、この駅弁は精進料理のように肉も魚も使用していないヘルシーなお弁当。里芋のくるみ和え、トーフハンバーグ、舞茸・ぜんまいの煮物、香の物などが入っています。
下は2006年7月29日、花巻駅で購入した「特製賢治弁当」。
こちらはただ「宮沢賢治」の名を借りたと思われる幕の内弁当です。出来立てだったので何もかもがおいしく、とくに豚の煮物が美味。調製元に「白金豚ですか?」と思わず聞いてしまったほど。実際にはそうではなかったのですが。。。
他に焼き魚、えび天、肉団子、玉子焼き、ヒジキ、香の物など。
調製元は花巻駅から徒歩3分の「まるろく」。ヤマザキショップでもあります。
せっかくですから、「注文の多い料理店」のあらすじをご紹介しましょう。
ある時、森に狩猟にやってきた青年二人が迷ってしまい、連れていた猟犬もそれぞれ死んでしまいます。やっとのことで一軒のレストラン「山猫軒」を見つけ、入っていくのですが、そこには、「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはごしょうちください。」という注意書きがあります。その後、さらに扉を開けて中の部屋に入っていくと「靴の泥を落として服を脱げ」からはじまって「金属製のものを全て外せ」とか、「(酢のにおいがする)香水を頭からふりかけろ」とか「体中に壺の中の塩をたくさんもみこめ」とか。。。
要するに、この「西洋料理店」とは、「来た客に西洋料理を食べさせる店」ではなく、「来た客を西洋料理として食ってしまう店」なのだと気づきました。しかし、二人は逃げようにも扉が開かず、前の扉からは目玉が二つ、鍵穴からこちらを見つめているわけです。二人は恐ろしさのあまりただただ泣き出してしまうわけですが、その時、後ろの扉から死んだはずの猟犬がやってきて、二人を救ってくれると言う話でした。
岩手軽便鉄道(現在の「山田線」仙人トンネル手前付近まで)の花巻駅跡です。宮沢賢治の代表作の一つ『銀河鉄道の夜』に登場する鉄道のイメージモデルだったといわれています。
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