1973年8月2日、青森駅で購入した「特製おべんとう」。 この駅弁掛け紙こそ本格的な掛け紙収集第1号なのです。初めての北海道旅行の帰り、青森駅で翌日からのねぶた祭をあしらったこの掛け紙の絵柄が子供心に気に入ってしまったのです。捨てるのがもったいなかったのでこの掛け紙を持ち帰ることにし、アルバムに貼りました。 

            

「私の駅弁掛け紙収集第一号は昭和四八年八月二日夜、北海道旅行の帰路、寝台特急「はくつる」乗車前に青森駅ホームで購入した「特製おべんとう」でした。翌日から始まる「ねぶた祭」の勇壮で巨大な、武者人形の山車をあしらった特別仕様の絵柄が、当時中学一年生であった私の心を捉えたのです。それまでは無造作に捨てていた掛け紙を初めて持ち帰り、「青森にまた来よう」とコメントを付けてアルバムに貼りました。それは今思えば、翌日まで残って「ねぶた」を見たいが帰らねばならないという、子どもながらに覚えた「旅愁」への昇華行為であったのかも知れません。以後、「旅」の記念や足跡を残そうとして、私の本格的な掛け紙収集は始まったのです。」(拙書「駅弁掛け紙ものがたり」(けやき出版)より)

下は1986年4月11日。同じ「特製おべんとう」です。

                


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