わさびシートの効用    170×50のバナーです。ご利用下さい。


※駅弁のふたを開けるとたまに「ワサオーロ」(画像左・鳥取駅「あご寿し」)とか「ワサガード」(画像右・鳥栖駅「かしわてりやき弁当」)などと書かれた透明なシートが入っていることってありますよね。これらは「わさびシート」と呼ばれるもので、抗菌・防カビ・鮮度保存剤ということになっています。
 
※では、いったいどれくらいの効果があるのでしょうか? 2005年4月から中学生の「ゆう」は実験してみたくなりました(本当は「上ちゃんお父さん」の半ば強制命令というウワサも・・・^^;)。しかし、カビの実験をするには夏まで待たねばなりません。そこで、実験は2005年夏休みの自由研究ですることとし、とりあえず、わさびシートについて調べてみようと思いました。

わさびシートとは?

※まず、「ワサオーロ」の製造元である三菱化学フーズの「ワサオーロ」公式ページをのぞいてみましょう。

ゆう・・・・・・「お弁当だけじゃなくて、パンとかお菓子とか、いろいろ使われているよ。」
上ちゃん・・「カセットがあったり、水に溶かすパウダーだったり、噴霧したり、すごいね。」
ゆう・・・・・・「お弁当用のシートは3つ種類があるみたい。料理にかぶせるように置いて使うんだ。」
上ちゃん・・「雲竜紙と呼ばれる和紙のタイプ、駅弁によく使われる透明シートタイプ。」
ゆう・・・・・・「もう一つ、バラン(お弁当の仕切りで草を模したギザギザの緑色シート)タイプもあるよ。」

※次に、「ワサガード」の製造元、株式会社西通の公式ページをのぞいてみましょう。

ゆう・・・・・・「こちらは冷蔵庫とかトイレ、家具や衣服などの消臭剤が中心だあ。」
上ちゃん・・「業務用の『PEOシート』というのが駅弁に使われているヤツだね。保鮮シートと書いてある。」



どうして効くの?  〜わさびパワーの秘密〜

※たとえば寿司にワサビをつけるのは傷むのを防ぐため、などという日本人の昔ながらの「生活の知恵」が実際どれくらい信頼性があるものなのか、上の2つのサイトに書かれている科学的な分析をもとに見てみましょう。

@ワサオーロ

ゆう・・・・・・「わさびは『抗菌力を備えている』って書いてあるけど、『抗菌力』って何?」
上ちゃん・・「食品に生えてくるカビを防いだり、細菌の繁殖を抑えるなどの働きを持つことらしいんだ。」
ゆう・・・・・・「それって菌を殺す、つまり殺菌ってこと?」
上ちゃん・・「そうじゃない。菌の発生をを防いだり、菌をそれ以上増やさなかったりという働きさ。」
ゆう・・・・・・「わさびの成分が『アリルカラシ油』?」
上ちゃん・・「そう、わさびに含まれるアリルカラシ油の成分が抗菌の働きをするらしいね。」
ゆう・・・・・・「キャベツやカリフラワーなどにも含まれているんだっ。天然素材なんだっ。」
上ちゃん・・「アリルカラシ油は液状よりもガス状の方がもっと効果を発揮するんだね。」
ゆう・・・・・・「でもって、効果は?」
上ちゃん・・「アカカビやアオカビ、大腸菌、黄色ブドウ球菌などの繁殖を抑えたって書いてあるよ。」

ゆう・・・・・・「25℃で24時間おく実験をしたらワサオーロでないお皿は大腸菌が発生したんだね。」
上ちゃん・・「この実験結果を見るかぎり、やっぱりかなりの効果があるみたいだな。」

Aワサガード

「BeeLuck」というサイトにワサガードの効果が書かれているので見てみましょう。

ゆう・・・・・・「鮮度保持テストでは72時間後でもワサガードを使ったレタスは新鮮だね。」
上ちゃん・・「防カビテストでも96時間おいてもワサガードを使ったフルーツはカビが生えてない。」
ゆう・・・・・・「やっぱり抗菌によく効くということなんだね。」
上ちゃん・・「『効き目の元はわさびエキス(アリルイソチオシアネート)です。』と書いてある。」
ゆう・・・・・・「それってアリルカラシ油のこと?」

上ちゃん・・「きっとそうなんだろう。抗菌効果、消臭効果、鮮度保持効果がわさびパワーなんだな。」

※以上のようなわけで、例えば夏場の食中毒を防ぐために、また、最近多くなった駅弁大会での輸送駅弁、つまり作ってから消費されるまで時間が長い駅弁の場合、その品質保持のためにわさびシートは使用されており、わさびパワーで効果があるということがわかりました。

ちょっと待って。。。

※こんなサイトも見つけてしまいました。東京都福祉保健局の中にあった「わさび、からし、梅干の抗菌作用の実験」の結果(PDF)です。

ゆう・・・・・・「チューブ入りも生のワサビも『抗菌性は認められません。』って書いてある(-_-;)」
ゆう・・・・・・「サルモネラ菌とO157を使ったんだよね。カラシも『抗菌性は認められない』って。。。」
上ちゃん・・「むむっ。『東京都立衛生研究所』というお役所の実験だから信頼性のある結果だろうねえ。」

ゆう・・・・・・「梅干しはその周囲だけ『抗菌性が認められました。』となっているね。」
上ちゃん・・「『ただし、おにぎりに梅干しを入れてもおにぎり全体が大丈夫なわけではない。』と。。。」
ゆう・・・・・・「わけわかんなくなってきた。。。(^_^;)」
上ちゃん・・「つまりだな、おまえが実験する価値は大きいということだ。そうだよ、そう考えることにしよう。」

※というわけで、2005年夏休みの自由研究で行う「ゆう」の実験にご期待下さい。食中毒菌を用いての実験はできないので、食パンに発生するカビについての限定実験とします。わさびとわさびシート(スーパーで購入します)、そして駅弁にも馴染みがある梅干しやカラシ、ショウガ、酢についても「防カビ」効果の有無を観察します。


☆それでは観察実験のページへ行く




※この実験で、ワサビの抗菌力とカビの発生との関係を調べる時、他の要因が結果を左右しないように、気をつけるべきことを考えてみよう。

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