「駅弁」とは?              トップページにもどります。


駅弁を食べてみると、その地方地方の郷土の味が忠実に再現されているものが多いです。それは、フタを開けた瞬間にぱっと目に入る色、そして駅弁の名前に見るメインの食材からもわかります。ここでは駅弁の食材と色が地方によって特色があることを学習してみましょう。

赤い色の駅弁って北海道と日本海側に多い? 

このサイトの駅弁リストをよく見ていくとわかるのですが、「かにめし」とか、「かにずし」とか、他の地区に比べて北海道や東北、北陸、近畿、山陰などの日本海側に多いでしょう。それもそのはず、みなさんがご存じのとおり、カニが獲れるのは北海道(花咲ガニ、毛ガニ、タラバガニ)や北陸(越前ガニ)、そして山陰地方(松葉ガニ)が多いからです。するとカニは赤いから、駅弁のフタを取るとまず赤い色が目に飛び込んでくるはずですね。でも、赤いのはカニだけではないです。例えばイクラ。これも赤くて北海道や北陸地方などの駅弁に多く見られますよ。鮭(シャケ)や鱒(マス)はピンクだけど赤の仲間。これも日本海側に多いのです。このように、大まかに見ると日本海側地方は赤色の駅弁が多いと言うことができます。

これと同じような考え方で、太平洋側には同じ魚介類でもサケ、マス、カニなどの赤いものよりも、アジ(鯵)とかサバ(鯖)とかサンマ(秋刀魚)とか、どちらかと言うと「光りもの」、つまり青い魚の駅弁が他の地方に比べて多いのです。「あじずし」とか「さばずし」とか、寿司が多いのも特色です。太平洋側地方は青色の駅弁が多いと言えるかも知れませんね。これらの魚の産地と結びついているのです。

また、山の方(高原・山岳地方)はどうでしょう。山菜とか栗とか、イメージ的には多そうですが、実際にも多いのです。だから、高原・山岳地方は緑・黄色の駅弁が多いと言えそうです。

以上の分け方は旅行ジャーナリストで駅弁評論家の林順信さんがいくつかの書物の中で書かれた内容(「色彩による日本列島駅弁分布」、「色彩による駅弁考現学」など)を参考にしています。

今度は地域別に駅弁の食材を分類してみよう。

※下に書いてある食材はその地方に特に見られる駅弁の食材です。魚、肉、野菜の順。

北海道・・・サケ、マス、イクラ、カニ、イカ、ニシン、ウニ、ホタテ、カキ、ツブ貝、ホッキ貝、ブタ肉など。

東北・・・サケ、イカ、ハタハタ、ウニ、ホタテ、カキ、アワビ、牛肉、鶏肉、栗、マツタケ、山菜など。

関東・・・タイ、アジ、サバ、イワシ、アサリ、シジミ、ハマグリ、鶏肉、玄米、マイタケなど。

東海・・・タイ、アジ、マグロ、サクラエビ、ウナギ、サザエ、鶏肉、牛肉、ワサビなど。

甲信越・北陸・・・サケ、マス、イクラ、サバ、カニ、エビ、ブリ、ヤマメ、イワナ、牛肉、米、山菜など。

近畿・・・タイ、マス、タコ、サンマ、マグロ、アナゴ、シャコ、カニ、エビ、クジラ、牛肉、イノシシ肉、マツタケなど。

中国・・・タイ、アナゴ、タコ、カニ、ママカリ、フグ、、トビウオ、カキ、シジミ、牛肉、マツタケ、山菜など。

四国・・・タイ、アナゴ、カツオ、サバ、カマス、牛肉、鶏肉など。

九州・・・タイ、シャコ、トビウオ、アユ、アサリ、鶏肉、牛肉、ブタ肉、シイタケ、栗、山菜など。

 

発展学習  

※上の食材を使った駅弁がどこの駅で売られているか、駅弁リストで具体的に調べてみよう。

       
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