上の2枚は昭和16年〜20年。
駅弁の掛け紙は世相を映す鏡です。
日本史の教科書には必ず出てくる戦時標語の代表格「欲しがりません 勝つまでは」の入ったお弁当で、しかも、白地に赤い日の丸が粗末な再生紙の真ん中にくっきりと「日の丸弁当」の文字と共に描かれています。
もちろんおかずは梅干し1個のみ。
駅弁掛け紙さえ戦争に利用された、まさに駅弁受難の時代と言えましょう。こういう時代があったことを忘れてはいけないと思います。
なお、字体の様子から、戦後に作られた復刻版ではないかというご指摘がありましたので申し添えます。現存する調製元に問い合わせてみましたが、真相はわかりません。
下は昭和16年12月27日午前6時。
日本刀に桜に葵の御紋ということで、国粋的な雰囲気の漂う掛け紙となっています。
「先着順に一列励行」「戦地偲んで感謝の節米」、そして「大政翼賛・職域奉公」の戦時スローガンが躍っています。
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