なお、この戦前の博覧会について名古屋万博「愛・地球博」と並行して企画展が名古屋市都市センターまちづくり広場(金山南ビル11階)にて2005年3月8日〜5月15日まで開催されており、当時の博覧会が再現されています。「愛・地球博」を訪れるついでにご覧になるとよいかと思います。


昭和12(1937)年3月15日〜5月31日まで、「名古屋汎太平洋平和博覧会」と題して、外国から約30カ国が参加した大規模な博覧会が開催されましたが、その記念駅弁です。この掛け紙は名古屋駅ではなく、静岡駅東海軒のものですが、おそらく名古屋駅でもこれと同じ絵柄の掛け紙が使用されていたのだろうと推測されます。

入場者は実に当時で480万人、海外参加国29カ国。これは戦前最大規模の万国博覧会でした。15万坪の広大な敷地にシンボルの平和塔、満州館、シベリア館、中南米館、英領インド館などがあり、特に「透明人間館」には当時世界で2つしかなかったドイツ製の透明人体模型が展示され、目玉となっていたようです。

名古屋城のシンボル、金の鯱と、当時建てられたモダンな名古屋市庁舎がダイナミックに描かれた掛け紙は、「静岡駅」と書かれていなければ誰もが名古屋駅のものだと思うことでしょう。

この博覧会は2005年3月25日〜9月25日に開催の愛知万博「愛・地球博」ほどの規模ではないにせよ、駅弁の掛け紙が時代の生き証人として、歴史を物語っている好例と言えます。


愛・地球博記念駅弁に戻る

トップページに戻る

駅弁ノスタルジア戦前に戻る