上は昭和16年頃。

「停」の文字があることから、停止価格である昭和16年頃に倉敷駅で売られていた「すし」の掛け紙だろうと推測されます。戦争標語が8つも書かれていることからも、かなり時代の状況が逼迫している様子がうかがい知れるでしょう。しかし、残念ながら掛け紙が裂けてしまっています。しかも、故意に切ったようです。それはなぜでしょうか。
これは実は、戦時下における物資の節約から、「すし」の掛け紙を半分に切り、その裏に新たに「御辨當」や価格、調製元名の印を捺し、新たに掛け紙として使用したものです。

と言うことで、左が上の掛け紙の裏面です。「公」の文字がありますが、これは「公定価格」のこと。「停止価格」よりも1年早い昭和15年から始まったようですが、左の「御辨當」の場合は価格が40銭となっていますので、昭和18年以降に売られた物であろうということが推測されます。物がない時代ですから、掛け紙まで節約されていたということが本当によく分かります。果たして中身はまともなものが入っていたのでしょうか。


  戻る