2007年10月6日、東京駅のJR20周年記念東日本縦断駅弁大会で購入した「ものぐさ太郎の出世丼」。2007年10月1日に発売されたJR20周年記念弁当です。高崎へ向かう「Maxたにがわ」の車中で慌ただしくいただきました。

   

「ものぐさ太郎」はお伽噺に出てくる信州生まれのものぐさな男。田畑も持たず、働かず、ただ、和歌だけを詠んで寝て暮らす毎日。面倒くさくて風呂にも入らないので体中は垢だらけ。そんなとき、お上に上納するものがないものぐさ太郎は強制的に都で労役をさせられるハメに。その労役をやっと終え、たまたま都で見初めた貴族の女房に一目惚れし、求愛の和歌を詠むと、その上手さに根負けした女房はものぐさ太郎を受け入れ、風呂に入れてみると案外美男子なのに驚く。とにかく和歌が上手いので、ついに帝の前でも披露することに。感動した帝がものぐさ太郎の素性を調べさせてみると、何と昔に信濃に流された二位の中将の子であることがわかった。その身分の高さと和歌の素養が認められ、ものぐさ太郎は大出世して信濃の中将に任命され、かの女房を妻にめとって信州に帰り、後に「穂高大明神」として祀られましたとさ、という話です。

   

そんなわけですから、蓋を開けた最初の見栄えは、、、良いとは言えません。海苔を敷いてその上に胡麻をふりかけたご飯と申し訳程度の山菜があるだけ。何とまあものぐさな作り。。。そんな印象を持たせるように工夫された演出と言えましょう。筵を敷いて寝ころんでいるものぐさ太郎をイメージしてしまいますね。

   

ところが、海苔ごとどかしてみると、そこは都を思わせるような華やかで雅な世界。いきなり桜が咲きました。大出世、おめでとう、という感じですね。そして、桜麩の下には桜肉が。そう、信州名物の馬肉です。馬肉だと言われなければ牛肉だと間違えそうな、すき焼き風に美味しく仕上がっています。さらに、松茸までここでは脇役に。まさに「出世丼」ですね。桜麩も松茸も2枚あるのは都の女房と結ばれた縁結びをイメージしているのでしょう。香の物も別に付いて900円。オススメです。

   

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