あくありすらんど旅行記に戻る

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高知…山陰に住んでいる私にとって、近いはずなのに意外と遠い所。それ故にいつかは行きたいと思っていた。ただ、なかなか取り辛いのよ、『ムーンライト高知』の指定券…。

初日、久しぶりに西へ針路をとる。乗る列車は4時33分発『とっとりライナー』米子行、そう今は亡き『だいせん』の忘れ形見。鳥取から18きっぷを行使できるようになったのは非常にありがたいが、リクライニングを4席分独り占めにしてボックスにしていた頃を思い出すと、シートピッチは広いとはいえやはり淋しい。あの頃は『スーパーおき』に接続していたため、スーツを着た人も見られたが、今は無し。運用が単行のキハ121なのも解る。
予定通りに乗り継ぎ、7時45分出雲市到着。朝飯を調達しようとするが、なんと駅弁屋さんがまだ開いていない!8時頃には開いたが、まだ駅弁は届かないとのこと。もうこの時間には営業している鳥取と米子は、山陰じゃ珍しいのかも…。結局、『アクアライナー』に空腹状態で乗車し益田へ。こんなことなら、米子で朝飯を調達してこれに乗るべきだった…。
10時半頃益田に到着。今回は山口線を通るので、“バス汽車”キハ120に乗ることは無い。よってトイレもボックスもあるので、ここで朝飯&昼飯を調達し、発車後速攻で喰らう。津和野までの川線の後は、山口までまるで高原をゆくような景色。途中徳佐にて、今シーズン初運転の『SLやまぐち』に遭遇。、列車は、某フォーク歌手の名曲「案山子」のモデルになった小京都へ、たくさんの人を運んでいった。
13時16分山口に到着。予約していた駅弁2種をキヨスクで受け取る。今回は低予算のため、これらが夕飯。私的には悲しいが、ワープ代やもう一つの旅行を想定した結果の仕方ない現実。再び汽車に戻って人で溢れていたこともあわせると、昼飯を先にとって正解だったようだ。それにしても、この山口〜新山口の区間は乗車率が高い。都市区画整理のときに高速複線電化していれば、山陽線の115系3000番台が入線できて、こんな混雑はなかっただろうと、ついヲタク的思考を巡らせる。でも…もし本当にそうなっていたら、現実はロングシートの105系か415系が突っ込まれているのが、オチじゃろて(-.-;)…。
あとはひたすら東に向かうのみ!下関13時33分発糸崎行に、新山口から14時49分乗車。18時32分に到着、18時50分発姫路行に乗車。えきそばをすすった後、22時1分発新快速で大阪へ。

2日目、大阪0時15分発『ムーンライト高知』に乗車し、暫し睡眠。ひたすら移動の前日が効いたのか、真夜中の離合集散ショーにも起きることなく、阿波池田まで爆睡。少しずつ夜が明けてきてた6時台、土佐北川で長いこと運転停車。『南風』が通り過ぎるまでひたすら待つ…。この橋の上の駅、風が強い日はどんな感じだろう?ちとゾッとする…(-.-;)
7時13分高知到着、7時15分発須崎行まで接続2分!ダッシュして駅弁屋さんを覗くも、駅弁は無し。前日の予約電話で断られたわけだ…。またダッシュで戻りギリギリセーフ!とても駅弁を受け取る状況じゃないことを、身をもって知った次第。しかし…約半日飯は食ってないわ、ボロい,トロい,ヘボいと三拍子揃った“元祖バス汽車”キハ32だわ、何か嫌な感じ\(-o-;)/
須崎に到着後、約20分の接続時間を利用して、きっぷ取りと朝飯調達。ところが、駅前食堂らしき店2軒は板が打ちつけられている有様、しばらく進んだ蒲鉾屋さんから揚物をいくつか仕入れ、8時57分、窪川まで1050円かけてワープ。ここでも翌日の指定券はあえなく沈没。今回入手できなかったら、何のために高知まで来たのかわからない。
10時1分、窪川を発車。いよいよ四国最難関路線である予土線を攻略にかかる。ここは風景がよく人気があるにもかかわらず、本数少なく接続悪く(特急の客しか相手にしていない)、車両最悪ときたとんでもない路線。18きっぷ族がそこまで嫌いなのかと問いたくなるダイヤである。去年末に逆ルートで踏破しようとして断念した理由もここにある。そうはいっても、景色は最高!乗りにきた甲斐あった。やはり、車両と食事情は考慮してほしいものだ。ちなみに、江川崎で交換待ちの間にトイレ休憩をしたが、ここは今までそう無かったレベルの高い設備だった。こんなささやかなことでも、旅人はうれしくなる。
12時6分、宇和島に到着。13時50分発松山行まで休息。しかし、駅弁は売り切れ…。駅近くの大衆食堂に入る勇気もなく、仕方なく暫く歩いた先にあったラーメン屋で昼飯。
こうして時は過ぎ、また旅人に。けれども、またもやキハ32…(T_T)ボックス恋しい。伊予長浜回りの海線を踏破したとはいえ、この車両運の無さには思わず泣けてくる。
17時、松山に到着。道後温泉に浸かって疲れを落とし、あとは『ムーンライト松山』を待つだけ。えっ、『ムーンライト高知』?奇跡的にも取れたのよ、八幡浜で。

3日目の真夜中、『ムーンライト松山』を岡山で降り『ムーンライト高知』に乗換。駅弁をゲットするためだけに高知へ向かう。前日に再び予約した際に、7時半頃には入るとの確約を取り付け、いざ行かん!
高知到着後、ひたすら待つ。約束の時間、やっと駅弁が入ってきて速攻で購入し、そのままホームにダッシュ!7時34分発土佐山田行にギリギリセーフ!!土佐山田から大歩危まで1430円のワープ。ワープの間に駅弁を賞味。…香辛料がこんなに多いとは…(^o^;)
大歩危から、また旅人。阿波池田で約1時間の接続待ちの間、元駅弁屋さんを探すも見つからず。だいたい駅弁屋さんは駅前に構えていることが多いが、そうじゃないことのほうが多いのかもしれない。
阿波池田から琴平まで、また“バス汽車”。ただ、キハ32ではなくキハ54。違いは、車両の長さとスピードぐらいか?少しだけ後者のほうがマシだが、ボックスがある汽車のほうがいいに決まってる。
11時12分、琴平到着。すると、目前に『瀬戸大橋トロッコ』のキクハ32-502がぁっ!すぐ指定券を購入し乗車。これで瀬戸大橋を渡れる。同じ32形でも、これと『大歩危トロッコ』のキクハ32-501は別格。新車で眺め抜群!これで特製弁当の車内販売があったら完璧である。
児島で『マリンライナー』に乗り継ぎ、岡山へ。車種が213系から223系5000番台になってから、何故か味気なくなってしまったこの列車。速いけどねぇ…。
岡山からは、いつものように上郡に向かい、智頭線経由で智頭に帰ることを考えたが、軍資金が底付きかけていたので、津山線〜姫新線で佐用まで行き、少しだけ通行料を浮かす作戦に。
13時22分岡山発、14時29分津山着。14時32分津山発佐用行まで接続3分!しかし、ここで悲劇が…。この佐用行は“バス汽車”キハ120、よってトイレ無し。ところがこんなときに限ってトイレに行きたくなったわけで…。結果、見事乗り遅れて…。
因美線津山〜智頭、姫新線より酷いダイヤ…。途方に暮れた挙げ句の果て、家に電話でSOS。ドライブがてらに津山まで来てくれた家族に無事“捕獲”され、今回の旅は終了。この私ともあろう者が…情けない(-o-;)



徳佐駅に侵入するSL。迫力満点!


土佐北川駅。普通列車との交換のために運転停車。


JR予土線とTKR中村・宿毛線の分岐点。


左がJR予土線、右がTKR中村・宿毛線。


四万十川名物の沈下橋。


18きっぷのポスターになった下灘駅。


『瀬戸内トロッコ』のトロッコ車、キクハ32-502。
乗車区間以外は乗れません(車掌さんが施錠している)。





ぶらり18きっぷの旅・’05春